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読みました。
私自身が「有名」中高一貫校の出身で、むすめも無事に「難関」中高一貫校に通学しています。私自身の受験は、自分から受験を言い出して、どうでもいいと考えている私の親に金と労力を提供させたという、子供の自己満足受験でした。
むすめの受験ではほとんど何もせずに、むすめの第一志望が残念だった時に、近くにいた父子が抱き合って残念な涙を流しているのを見て、そこまで家族一丸となるのが中学受験なんだなと、むすめの受験が終わってからたいして受験に協力しなかった自分を反省しました。だから、この本を読んで、筆者の父親としての奮闘ぶりに頭が上がりませんでした。
後半部分のエッセー的な振り返りのところでは、算数ができる女の子の話や筆者の次男の恋愛の文が12歳の男の子にはわからない話などは、読み物として楽しく読ませていただきました。
さて、中学受験に関する本が多いのですが、こと私立の中学の受験に関しては、まず考えなければならないのが、受験層の最低の世帯年収が800万以上だと各種の情報で出ていることです。これは、むすめを私立に通わせている(通っていた私も含めて)実感するところです。(データがなく申し訳ありません)
むすめは、周囲の友達との会話から、自分が世の中の最下層の家庭で育っているように錯覚しています。私も、普通のサラリーマン共働き家庭だったので、貧しい家庭で育っていると勘違いしていました。
そして、中学受験を考えるときに避けて通れないのが、大学への進学実績です。進学校を志望する場合には、東大への合格実績を気にしてしまうのではないでしょうか。そもそも同年代のことたちの中で3000人しか(3000人も?)合格できないにもかかわらず。。。
で、逆に東大に通っている学生・家庭の情報が東大のホームページで「学生生活実態調査」というのに載っていたので、気になる部分を切り取ってみました。
まずは、出身校です。具体的な学校は、東大合格ランキングとかをググればわかると思うのですが、こっちのほうが衝撃ですね。
私が大学受験したころから、これに近い形になっていたと思うのですが、過半が私立の中高一貫校出身なんですね。私の親世代の公立のトップ校⇒東大というのは、もう都市伝説ですね。その他の公立学校に、都道府県立の高校が入るのでしょうが、20%しか(20%も)いません。中学受験に対して、カネで学歴を買うという批判がありますが、的を射ているように感じます。
ま、データから受ける印象は人それぞれなので、それはいいのですが。国立大学附属も、東京では学芸大・筑波大・お茶の水女子大・東大の附属がありますが、いずれも中学受験での入学者が多くを占めています。一部で、小学校・高校からの入学者がいるといったところではないでしょうか。
そうすると、公立中高一貫校と国立附属を含めると、東大入学者の70%くらいが中学受験の経験者となります。(少々雑ですが)
ここからは、東大に行きたければ中学受験をすべきだということになるのではないでしょうか。先ほども述べましたが、私立の中学受験には、各種の情報と私自身・むすめの経験を合わせても、世帯年収800万は必要なのにもかかわらずです。そうしないと30%のマイノリティーになってしまうというのは、果たして健全な状態なのでしょうか。。。東京都内でも、場所にもよりますが80%くらいは公立中学に進学するのにです。
そして、東大進学者の親の年収の分布です。
本書では、筆者はこの状況は普通だと言い切っていましたが、私は違和感を覚えます。モリタクと尾木ママのところにも書きましたが、親の平均年収が1000万を越えている状況が果たして正常といえるのでしょうか。
年収750万未満が20%弱いるから、希望はあるといえるのでしょうか。素直にこれを見ると、中高一貫校に通う裕福な家庭の子供が、東大進学には圧倒的に有利ということにはならないでしょうか。
高学歴を手にした裕福な家庭に生まれた子供は、そのまま高所得を維持して、アッパーな状態を続けるとなると、富裕層の固定化が起きているという言い方ができてしまうのではないでしょうか。
ここから、努力でどうにかなるというデータの見方ができるのでしょうか。
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