へっぶしんです。相変わらず仕事が最繁忙期で、メンタルが削られ続けている中の、つかの間の休日です^^;

 ランチでちょっぴり贅沢をしようと全力で回っているすし屋で昼食を食べていたら、サザエさんのように財布を忘れているのに気づきました。せっかくの贅沢が、スリリングな冷や汗に変わりました><

 結局は、スマホケースに入れている定期券をお店に預けて、家まで財布を取りに帰りました。後半のすしの味を全然覚えていません^^;

 さて、今回は『新・日本の階級社会 (講談社現代新書) [ 橋本 健二 ]』の続編の本です。



 帯より、

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出口の見えない不況の影で

「彼ら」は急速に増大した

この国を揺るがす衝撃の事実

930万人がアンダークラス

転職回数が多いと高齢アンダークラスになりやすい

「本が10冊以上ない家庭環境」で育つとアンダークラスに陥りやすい

女性がアンダークラスに陥るきっかけは「夫との離婚・死別」

落とし穴は、すぐそこにある


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帯裏より、

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 フリーターの先駆けだった元・若者たちは、すでに50歳前後となっている。その多くが、正規雇用を経験することなく、あるいは一時期しか経験することなく、今日に至っている。このような若者たちが、30年間にわたって社会に排出され続けてきた。そして離死別を経て、主婦から単身の非正規労働者へと転じた女性がここに加わり、巨大なアンダークラスが形成されてきた。アンダークラスを生み出す社会のしくみは、すでに日本の社会に深く根を下ろしてしまっている。

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 筆者は日本の階級構造を、
 ・資本家階級
 ・新中間階級
 ・労働者階級
 ・アンダークラス/主婦

と、旧中間階級に分けています。資本家階級、新中間階級、労働者階級、アンダークラス・主婦は、年収で縦に階層をなしています。これに、旧中間階級が独立した階層として横に置かれています。


 資本家階級は、構成比が4.1%で、個人年収が604万円・世帯年収が1060万円。

 新中間階級は、構成比が20.6%で、個人年収が499万円・世帯年収が798万円。

 労働者階級は、構成比が62.5%で、個人年収が263万円・世帯年収が564万円。

 旧中間階級は、構成比が12.9%で、個人年収が303万円・世帯年収が587万円。


 この本では、労働者階級にスポットを当てて、労働者階級の中で正規雇用の層と非正規雇用の層で分断が起きていると指摘しています。男性のデータをみると、正規雇用では個人年収が428万円・世帯年収が610万円です。非正規雇用になると、個人年収が、213万円・世帯年収が384万円です。


 これを見ると、私は労働者階級と新中間階級の間くらいで、新中間階級に近い収入を得ていることになり、首をかしげてしまします^^;


 それにしても、労働者階級内の分断の大きさは目を覆うばかりでしょう。労働人口が約6500満人と言われている中で、930万人もの人が世帯年収384万円でくらしているということは驚きです。これでは、食べていくだけで精一杯で、余暇を楽しんだり、ちょっとした贅沢を楽しむなどということは全くできないでしょう。


 そして、年収200万円台のアンダークラスに陥ってしまうと、未婚率が34%になり他の階層の17%の倍になります。おそらく余暇を過ごす金銭的な余裕がなく、男女が出会う場に行くことすらできないのでしょう。20代では15%ほどで10-50代では12%ほどがアンダークラスにいるようです。60代以上では比率が増えますが、企業の再雇用等で正規雇用の人が非正規になるからだとしています。結婚に関しては、適齢期を過ぎていると考えられる40代男性で、他の階層では8割前後が有配偶者なのに対して、アンダークラスでは約20%しか結婚できていません。収入が足りないために結婚ができないということが明白ですね。


 また筆者は、1990年代に出現したフリーターに対しての当時の分析を批判します。当時はパラサイトシングルなどと珍奇な目で見られていましたが、今から振り返ると、正規雇用のイスがないために非正規に甘んじるしかなかったのが実態のようです。そして、独立せずに親元で生活していたのも、独立するのに足る収入がなかったためだと主張しています。


 これがロストジェネレーションといわれている社会に出る時期が、就職氷河期と一致している世代と重なります。当時は、企業のリストラが方々で行われており、社会の目は失業したお父さんたちをどう支えるかに集中していたために、若者の就職まで支援が回らなかったようです。そのために、正規雇用を経験できずに業務スキルを身につける機会のなかった層が、アンダークラスになっているということです。さらには、企業が正規雇用を絞って非正規雇用を増やしているために、社会に出た瞬間からアンダークラスにいて、上昇する機会のない若者が毎年排出されているとしています。


 これらアンダークラスの男性は、貧しい家庭で育った比率が他の階層よりも高く、文化的環境に恵まれておらず、教育投資もされていない比率が、他の階層と比べて際立って高い特徴があります。まさに、「格差の遺伝」がおきているようです。さらに、学校でいじめなどを受けて不登校になったことのある比率も、他の階層と比べて突出しています。これを筆者は、「学校教育からの排除」と表現しています。


 またアンダークラスの女性については、出身家庭の環境は様々なようです。どちらかというと、結婚後に配偶者との死別・離婚が原因で貧困に陥ることが多いようです。


 これら59歳以下のアンダークラスの層の現状を筆者は、
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 五九歳以下の若年・中年アンダークラス男性と女性は、極度の貧困状態にある人が多く、安定した家族を形成したり維持したりすることもできない状態にある。肉体的にも精神的にも多くの困難を抱えており、状況が改善する見通しもない。五九歳以下の失業者・無業者は、さらに深刻な問題を抱えており、アンダークラスの一部、しかももっと下層性の強い部分とみなすことができる。
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と表現し、無業者を含めると2割くらいの層をなしていると指摘しています。この状態を放置すれば、いずれアンダークラスの層が高齢になった時に、社会保障に多額の費用がかかり、国の財政に大きな負の影響を与えると警鐘を鳴らしています。


 また、永山則夫を例に出して、自らの境遇に不満を抱き、階層を上昇させる機会がないために自暴自棄になり、無差別殺人などの事件が増えると指摘しています。


 確かに、秋葉原の通り魔事件、相模原の障がい者施設での大量殺人事件などの事件が、社会を震撼させています。構造的に生み出されてしまっているアンダークラスの人たちが、安心して生きられる社会を作らなければ、日本の足元が崩れていってしまうでしょう。


 この本で筆者は、自分がアンダークラスでないのは偶然にすぎないのだから、社会を下から支えているアンダークラスの人に居場所を提供するように政治を変えるべきだと主張しています。自分の育った環境を考えると、たまたま恵まれた家庭に生まれただけで、たいした能力もないと自覚しています。

 今まで紆余曲折を経ながらも、現在はなんとか正規雇用で仕事をできています。現在の生活環境は、育った環境よりも劣化はしていますが、むすめを私立の中高一貫校になんとか通わせることができています。これらは、自分の努力という枠の外で授かった「恩恵」に浴している部分が少なくありません。

 だからこそ、今よりももっとリベラルな社会になって、より多くの人が安心して、より豊かにくらせる社会になってほしいと願っています。個人的には、仕事にいっぱいいっぱいで、ストレスに負けそうになって、自分にまけることが多いですが、今の日本での自分のポジションはむしろ恵まれている方なのだと自覚しながら、生活に困窮してる人に対してできることを考えていきたいです。


 筆者は橋本健二氏です。

 1959年生まれ。東京大学教育学部卒。東京大学大学院博士課程修了。静岡大学教員などを経て、現在、早稲田大学人間科学学術院教授。専門は社会学。著書に『階級都市 格差が街を侵食する (ちくま新書)』、『新・日本の階級社会 (講談社現代新書)』、『「格差」の戦後史 階級社会日本の履歴書 (河出ブックス)[本/雑誌] (新書)』、『はじまりの戦後日本 激変期をさまよう人々 (河出ブックス) [ 橋本健二 ]』などがある。


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