へっぶしんです。

 アフィリエイトがうまくいかずにへこむ日々が続いています^^;ま、本業は会社員なので、いつか自宅のPCの前が仕事場になればストレスのない生活ができるかな?くらいでやっているので、成果が出ないのかもしれませんが^^;

 相変わらず、本を読むペースにブログを書くペースが間に合っていないために、読み終わった本の山がなかなか片付きません^^;

 さて、『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書 [ 西岡 壱誠 ]』で紹介されてた本を買ってみたのですが、日本では全くうまくいっていない地方創生が軌道に乗っているドイツの地方都市について書かれた本です。

 地方都市の衰退に問題意識を持っている方には、ぜひご一読いただきたい一冊です。



 作者は高松平蔵氏です。

 
 ドイツ在住のジャーナリストの方で、1969年にならで生まれた後に、会社勤務を経て独立されています。さらに、京都経済新聞社を経てジャーナリストになられています。1997年ころから、ドイツのエアランゲンと日本を行き来する生活をされています。2002年からドイツ・エアランゲン市を拠点にして現在に至っています。著書に『エコライフ : ドイツと日本どう違う【電子書籍】[ 高松平蔵 ]』があります。



 ドイツのエアランゲン市に住まれている著者の目から、日本の地方都市とドイツの地方都市が比較されています。著者が着目している点として、「質の高い都市」=「文化の充実度が高い都市」というものがある。また、ひとつの自治体ですべてがそろうということも重要視されています。

 生活のためのすべてのものをそろえられる自治体の規模とはどれくらいなのでしょうか。

 筆者は、10万人前後だと主張しています。

 しかし、ドイツでは50万人以上の自治体が12、100万人規模の自治体は3つだけですが、、日本では50万人以上の自治体が25もあります。都市への人口の一極集中や、市町村合併をする前に(もうかなり進んでしまっていますが)、最適な都市のサイズをただ単に大規模ならいいという発想から脱却して考えた方がいいですよね。生活に不自由しない近隣の都市が連携をしあっていくという発想が大切です。

 また、日本の過疎の問題で失われつつあるものが、ひとつの自治体ですべてがそろうということでしょう。教育・医療すらままならない自治体が増えています。補助金に頼り独自性を失っていく限界集落を多く抱える日本の自治体に比べると、輝いて見えるのがエアランゲン市です。

 衰退途上にある日本の自治体が、まずは取り組まなければならないのが「循環系」の復活のようです。

 「循環系」とは、「行政の企業誘致の成功」⇒「地域の人々に地元の職場ができる」⇒「都市の経済力が高まる」⇒「高い生活を実現するための環境整備ができる」⇒「文化度の高い都市の実現」⇒「企業誘致につながる」という都市が活性化するための好循環だと筆者は定義しています。

 日本では、産学連携というと大企業と有名大学の世界最先端の研究にこだわっている印象を受けます。調べていないのであまり偉そうなことは言えないのですが、その地方固有の問題を解決するための産学連携というのがあってもいいのかなと思います。観光の誘致をしたいのであれば、どの地域にも固有の歴史があり、他の地域とは異なる特産物があるはずです。それを農業研究したり、伝統的工芸品として申請したりといったことができそうです。その研究成果をSNSなどで発信していけば、観光資源になりうるのではないでしょうか。下調べなどを研究の一環として大学生がゼミなどで行い、それを自治体・企業が発信していくという仕組み作りなどは、今の日本の制度でもできそうです。

 個人的な体験では、海外に行っても都市はどこも同じように感じました。しかし電車で30分も移動すると、その国・その地方特有の風景が広がっていました。東京では、都心から電車で30分移動すると、あまり個性のないベッドタウンが広がってしまっています。首都圏では、地域の特性が出しにくくなってしまっています。だからこそ、人口が一極集中していない地方都市は、自らのアイデンティティに基づく特色ある都市づくりを再生する可能性があるのではないでしょうか。

 900万人もいる東京の特別区が失ってしまった地域の独自性を、日本の地方都市が取戻してくれれば、人口減少が進み経済規模が小さくなっていく日本にも、希望が持てるようになるのではないでしょうか。そんな変化の可能性を感じさせてくれる一冊です。


 少子高齢化が止まらない日本にあって、合計解く出生率の低い東京都に若者の人口流入が続くという、衰退の悪循環を止めるには、地方都市の再生がカギになるのではないでしょうか。大都市の魅力ではなく、特色のある地方都市の魅力を作っていける日本になるためには、世界の中で成功している地方都市に学ぶ姿勢が大切ではないでしょうか。


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