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十字軍物語 第二巻 イスラムの反撃 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]
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 へっぶしんです。 人間、さぼり始めるとどこまでもさぼってしまうものですね^^;

 更新が滞りすぎてしまって、放置ブログになってしまっています。さぼり始めたのが、義父の見舞いにプライベートの時間を大きく使うようになってからです。その義父も逝去して、仕事がそのまま繁忙期になりました。ようやく落ち着いて2週間弱で、ようやくブログを立ち上げています。

 5月から4か月もの間、一度ついてしまったさぼり癖から抜け出せずにいます。今日を機に、読んだ本について書き始められればいいのですが。。。積ん読ならぬ、ブログ待ちの本が山になっていて、この間も積んである場所が崩壊して、妻とむすめから冷たい視線を浴びました。

 さらに、本棚が満杯になってしまっていて、もう読むことはないであろう佐藤優氏の著書をチャリティーバザーに持って行ってもらいました。

 ・ ブログを書く
 ・本棚を整理する

 という「仕事」が、ものぐさな私に課せられていながら、放置し続けています^^;さて、前回に引き続き塩野七生氏の『十字軍物語(2)』です。日本史はある程度は通史が頭の中に入っているのですが、世界史は高校生以来、体系的な学習を行っていないので、忘却のかなたです。『ローマ人の物語』、『海の都の物語』、『ローマ亡き後の地中海世界』を読みましたが、ヨーロッパ史は、なかなか頭に入りません^^;



 作者は塩野七生氏です。


 塩野七生氏は、学習院大学文学部哲学科を卒業後にイタリアに遊学され、多数の著書を書かれています。全巻読破したいくらいなのですが、多すぎます^^;

 主な著書に
ルネサンスの女たち (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

海の都の物語(1) ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

ローマ人の物語(1) ローマは一日にして成らず 上 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

など多数あります。

[概要]

帯より

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 中東の地に打ち建てられた「十字軍国家」。
 その儚い夢をイスラム世界の英雄が打ち砕く
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  ゆっくりと味わいながら読みたかったのですが、1巻に引き続き、次の展開が気になって、一気に読んでしまいました。



 十字軍国家を打ち立てた第一次十字軍に従軍した世代の亡き後、キリスト教世界は徐々に人材不足に陥っていく。

 逆にイスラム世界では、ゼンギ、ムラディン、サラディンと英雄が立て続けに現れる。イスラム世界が統合され、イェルサレムをイスラム教世界が奪回するまでの物語です。

 塩野七生氏は、十字軍が中東に向かっていない時期に着目して、なぜ十字軍が少ない兵力にもかかわらず100年近くもイスラム国家からイェルサレムの地を守り続けられたのかを考察しています。

 ひとつにはこの時期に結成されたテンプル騎士団・聖ヨハネ騎士団の活動にあるとしています。騎士団に集まる寄付をもとに、イェルサレムの東側に防衛のための城塞を築いていき、防衛を可能にしたということです。

 さらには、キリスト教研究者が正面からは検証したがらない経済面でのイタリアの海洋国家の活動を挙げています。中世の地中海で、制海権を握っていたのは、イタリアの海洋国家であるジェノバ・ピサ・ヴェネツィアです。この海洋国家群が、イェルサレムが海から攻められることから守っていたと説明しています。ただ、著者は、これらの海洋国家を「中世のエコノミックアニマル」と表現しており、イスラム承認とも取引をする姿勢が、キリスト教世界からは嫌われていたようです。

 十字軍国家は、100年しかもたなかったのか、100年も続いたのか。著者の豊富な史料の読み込みから編まれる物語に、時間を忘れるほど没頭してしまいます。


 主に外交・戦争をテーマに書かれた物語ですが、塩野氏らしい経済面の記述もとても面白かったです。国家の存続をかけた人々の攻防と、それに口をはさむ女たちの姿が生き生きと描かれていました。また、度重なる大地震からイスラム世界を復興に導くヌラディンなどは、現代の政治家たちに見習ってほしいなと思っていました。

 事実は小説よりも奇なりという言葉もありますが、台風15号に対して現地入りすらしない首相かと思ったら、停電で46万人もの国民が苦しんでいるのも知らずに、「防災訓練」でそれと知らずに「現地入り」する首相に、「国家の存亡をかけた人々」の爪の垢を煎じて飲ませたいと思ってしまいました。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。



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