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AI vs.教科書が読めない子どもたち [ 新井 紀子 ]
価格:1620円(税込、送料無料) (2019/8/13時点)




 へっぶしんです。

 前回、書評を書いたのがゴールデンウィーク中だったようで、どれだけ更新をさぼっているんだという話ですね^^;

 ゴールデンウィークが終わり、仕事に戻った時に妻の父(私にとっては義父)が亡くなりました。その関係で、家庭内でやることが増え、仕事も繁忙期になり(っていつも繁忙期のような…)、ブログを更新できなくなってしまいました^^;

 1度さぼると、後回し・後回しになり、気が付けば3か月も更新をしていないという状況になってしまいました。

 昨日、義父の納骨も終わりひと段落したので、読み終わった本の山に恐怖感を覚えながら、書評(できの悪い読書感想文)を更新します^^;




 作者は新井紀子氏です。

 
  国立情報学研究所教授で、その中の社会共有知研究センター長を務められ、一般社団法人「教育のための科学研究所」の代表理事・所長もされています。

 東京都出身で、一橋大学法学部・イリノイ大学数学科を卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科を単位取得退学、東京工業大学より博士(理学)を取得、専門は数理論学です。

 2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務めます。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導されています。

 主著に「ハッピーになれる算数」「生き抜くための数学入門」「数学は言葉 (Math stories) [ 新井紀子(数学) ]」「コンピュータが仕事を奪う [ 新井紀子(数学) ]」などがあります。



 数学を専門として、AIで東大に合格するためのプロジェクトをされている著者の経験から、AIと人間の未来について書かれています。20年後に47%の仕事がAIにとって代わられて、失業者が増えるという説に対して、著者は肯定的な立場をとっています。

 著者が開発に携わった「東ロボ君」は、大学入試の模試で偏差値57をたたき出しました。AIに仕事を奪われないためには、それ以上の能力が必要になります。現在、4年制大学への進学率が約50%です。偏差値57という数字はその中の上位約20%にあたります。4年生大学に進学する生徒と、しない生徒の能力が同等だとすると、約80%の人がAI以下の能力ということになります。厳しい見方をすれば、4年制大学に進学する生徒の方が、しない生徒よりも能力が優れているので、世の中の約90%の人がAIの能力に勝てずに、仕事を奪われることになります。

 しかし、AIにとってかわられた分の仕事が新たに想像されるという説には、筆者はくみしていません。AIが得意なことと、苦手なことを分析すれば、人間が訓練しなければならない能力が見えてくるというのが筆者の立場です。

 AIが得意なことは、数学の中でも「統計」「確率」に関する分野です。苦手なことは、「論理」です。そこで、著者が注目したのが、読解力です。AIは、言葉の意味を理解することができないようです。そのため、「東ロボ君」は、数学では東大模試(※)で偏差値76をたたき出しながら、センター模試では、英語・国語の偏差値は50程度しか出せなかったようです。
 ※東大模試は、2次試験の記述式で、6問が出題される中で4問を完答したとのことです。さらに東大模試とセンター模試では受験層が違うため、単純に偏差値同士の比較はできませんが、偏差値が出にくい東大模試での偏差値76は驚異的な数字だとの理解で間違いありません

 現在の状況では物事の意味をAIに理解させることは、かなり厳しいようです。だから、AIに仕事を奪われないためには、AIの苦手な読解力をつけることが不可欠になるというのが筆者の主な主張になります。

 では、中高生の読解力はどうなのかということで、AIに模試を受けさせ続けた「東ロボ君」開発チームが「リーディングスキルテスト」を開発します。この結果が衝撃的で、中学生の半分が教科書を読めていないということが判明します。さらに、高校生では、偏差値の高い学校に通っている生徒ほど、読解力が高いことが判明します。もともと読解力がある生徒は、教科書を読んで勝手に理解して、勝手に学力をつけます。一方で、教科書が読めない生徒は、学校で授業を受けていても、先生が何を言っているかも理解できずに、学力がつきません。

 恐ろしい結果ですね。


  AIにできるのは、ビックデータを検索して、確率的に正しいと思われる答えを出すことです。そのため、限定された条件での答えを出していくことにはめっぽう強いです。一方で、条件を限定できないような状況で最適解を出していくことは苦手です。

 したがって、規格品を作るような職業はAIにとって代わられる代表的な仕事です。生活をしているうえで実感できることでもありますが、電話のオペレーターなどは、ほとんどがAIで代替が可能な業務です。また、銀行・証券会社の窓口も不要になるようです。さらには、税理士もなくなる職業の上位にあります。(税理士に関しては、税法が変わるたびに大量の作業が必要になりそうなので、微妙ですが)

 逆に、AIが苦手とする職業が、コミュニケーションの能力を求められる仕事や、定型化が難しい仕事です。医療・教育関係が多くを占めています。さらには、整備・設置・修理の第一線監督者というのもあります。個別的・具体的に物事を見ることはAIには苦手です。

 今からも可能であれば、上記のようなスキルを身につけていく必要があるのではないでしょうか。さらに、自分の子どもに対しても、つけさせたいスキルですよね。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。



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