100万円で家を買い、週3日働く (光文社新書) [ 三浦展 ]

価格:864円
(2018/11/21 16:21時点)
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 へっぶしんです。

 中学受験と格差社会を中心のテーマとして、本を読み続けています。わりと読むことの多い、三浦展氏の著書を読みました。

 新自由主義とグローバリゼーションが一体となって、格差社会を進行させています。自分の労働が会社に搾取されていると感じる方は多いのではないでしょうか。さらには、会社の合理化や効率化によって、1日働くとヘトヘトになっている方、メンタルがぎりぎりの状態で働いている方も多いと思います。もちろん、私もその一人です。もっと仕事がゆるくなってほしいと願っているのですが、そんなことは無理だということも会社内での話を聞いていると理解せざるをえません。

 何度も書いていますが、私の仕事はサービス業なので、お客様が休みの時間・曜日に働くことになります。幸いにして日曜日は特別なイベントがなければ休めるのですが、土曜日は毎週毎週、目が回るくらい忙しいです。イベントを午前と午後で2つずつ同時に回すこともあります。その合間の時間を縫って、営業電話をかけることも珍しくありません。なぜそんなに忙しいかというと、職場の正社員の比率が2割程度だからです。極限まで人件費を削って、最大限に利益を出すためのシステムに組み込まれていることを、肌で感じているのです。

 正社員になれば勝ち組かというと、仕事でメンタルを壊さなければという条件付きになるのではないでしょうか。私は、大きな責任とストレスにさらされ、毎日・毎週・毎月がギリギリの精神状態で働いています。追い打ちをかけるように、ミスをすれば上司の暴言が待っています。勤務時間だけが午後から終電までという短い時間で済んでいます。せめてもの救いです。もちろん、標準の勤務時間からはみ出た分は、無賃労働になります。

 そんななかで、目に留まったのが本書でした。むすめが私立中学に通っていて、学費がかかるため、簡単に会社を辞めるわけにはいきませんが、いつかは会社を辞めて、新自由主義的な要素の少ない、人とのつながりを最大限に重視した生活というのを模索したいです。



 著者の三浦氏につきましては、過去の記事(『都心集中の真実』)などで触れていますので、興味がある方は参照してみてください。



  さて、本書は『第四の消費』の生活を実践している人たちのルポのような作りになっています。簡単に「第四の消費」について触れたいと思います。

 まずは第一の消費の時代ですが、これは1904年の日露戦争のころで〜1941年の日中戦争くらいまでで、生活の洋風化と大都市化にまつわるものと定義されているようです。

 次に第二の消費は戦後の高度成長期の時代で、資本主義の大量消費・大都市志向の消費志向のようです。

 続けて第三の消費は、オイルショックにより高度経済成長期が終わってからバブル経済の崩壊までの時代で、ブランド志向に代表されるような個性化・多様化・差別化を重視した消費行動とのことです。

 最後に今回の第四の消費ですが、ノンブランド・カジュアル・シェア志向の消費行動のことのようです。『第四の消費』読んでいないので、ネットの拾い読みでかいつまんで書いているだけなので、雑で正確性には欠けますが、おおよその要素は満たせていると思います。




 本書を読むと、現在の標準的な生活スタイルとは別の方法で、「豊かさ」を求める生活をしてる人に魅了されます。キーワードは、人と人とのつながりです。上記に書いた「第四の消費」をもう少し詳しく引用すると、「序」の見出しになりますが、

・ものの豊かさ志向から人間関係の豊かさ志向へ
・私有志向からシェア志向へ
・ゴージャス・ブランド志向からシンプル・ナチュラル・手作り志向へ
・欧米・都市志向から日本・地方志向へ
・再・生活化
・「人間の居る場所」を探す

 となります。

 私自身も生活をしていて感じるのですが、地域のコミュニティが壊れていて、近所の人の素性もわからないのが当たり前になっています。隣に住んでいる人とあいさつもしません。顔もはっきりとはわからないので、街で会っても隣人だと気づきません。そんな社会から、シェアハウスで自営業を営みながら、子育てをする。離島で年収150万で暮らす。などの生活をしている人たちを紹介しています。その底流に流れているのが、「人とのつながり」です。筆者はそれを、リアルで濃密な人間関係と表現しています。

 現代の社会では、生きていくうえでお金を無視した生き方はできません。しかし、お金を中心にものを考えていると、人間関係もぎくしゃくして、本当に人間的な、つながっているということを意識できる関係は作れないのではないでしょうか。自分の得意分野を生活にいかして、共同生活を営むというある意味、理想的かつ若干は原始的なにおいを漂わせる生活にあこがれしまいます。

 会社に頼らず、かといって厳しい競争を勝ち抜くような追い詰められた生活でもない、まさにストレスを軽減したゆるい生活をしたくなりました。

 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。