格差が遺伝する! 子どもの下流化を防ぐには (宝島社新書) [ 三浦展 ]

価格:799円
(2018/10/17 08:36時点)
感想(8件)



 へっぶしんです。

 最近のテーマは、中学受験と格差社会です。中学受験をできる家庭が、格差社会で上層に位置しており、社会全体はどのようになっているのか。という問題意識で本を読み続けています。読めば読むほどげんなりするのですが、いまの日本社会はどうなっているのか、これからどうなるのか、自分はどのように生きていけばいいのか。などを考え続けています。



 著者の三浦展氏は、一橋大卒業後にパルコ・三菱総合研究所を経て独立しカルチャースタディー研究所を設立。家族、消費、都市問題などを横断する独自の「郊外社会学」を展開している。主な著書に『下流社会』『下流同盟』『ファスト風土化する日本』『東京は郊外から消えていく!』などです。





 本書は子どもの成績について、経済面・親の学歴・祖父の学歴・母親のタイプなどから分析をしています。その中で、子どもの成績を決めるのは、収入の格差だけではなく、生活の質の格差も大きな要因になっていると結論付けています。

 第1章 子どもの成績は親の経済力に比例する
 第2章 母親が子供の成績を左右する
 第3章 食生活が成績の上下を分ける
 第4章 頭の良い子はどんな子か
 第5章 「生活の質」の格差が階層の固定化を生む
 第6章 子どもを中学受験させる親、させない親
 第7章 母親たちの満足と不満
 参考  母親の4タイプと子どもの成績



 筆者は『下流社会』で、格差それ自体は否定せずに、格差の拡大について問題視し、さらに格差が固定化して子どもに再生産されることを問題として指摘しています。本書はそのような状況の中で2007年、約10年前に書かれました。

 この親の格差が子どもに受け継がれていくことが、本書のテーマになっています。




 格差社会を考えるときに、どうしても自分の位置はどこなのかということが気になってしまいます。典型的な日本人の横並び志向なのでしょうか。だから、厚生労働省の国民生活基礎調査などで世帯年収の分布を見たり、賃金構造基本統計調査などを見たりしてしまいます。そうすると普通だと思っていた自分の生活が、実は贅沢だったという衝撃の事実に気づかされます。自分の生活が普通だと思う根拠としては、世帯年収が1000万に満たないからというものであり、裕福と普通の線引きを1000万という数字を基準に考えているからです。しかし、日本全体の統計の数字を見ると、自分の家庭がある程度上位に位置しています。正直、「ウソだろ」という信じられない気持ちになるのですが、一方で、多少仕事がきつくても耐えようというモチベーションにもつながります。そして、妻がフルタイムで働いてくれていることに感謝の気持ちもわいてきます。


 その中で、自分自身がむすめを持つ一人の親としてどう責任をもって、どうしてやれるのかを考えます。以前も書きましたが、むすめ(「難関」中高一貫校在籍)は親(「有名」中高一貫校出身)に似ずに頑張って学校に通っています。保護者会の前にママ友ランチ会に一人で乗り込むという暴挙をしたのですが、そこでの話では我が家は最下層ではないかと思えてしまいます。自分が育った環境では、我が家の収入が十分には思えず、むしろ足りないように感じてしまうのです。中高の友人はもちろん、大学の友人も当たり前のように自分よりも収入が高いのです。さらに、私自身の仕事も高所得層向け(世帯年収800万以上)のサービス業をしていることもあり、統計上の中央値に来るような平均的な生活をしている人と出会える機会がほとんどありません。だから、政府の統計を見ながら、自分の生活は悪いものではないと思い込むしかないのです。




 そこで、自分自身の教育観や実際に家庭で行っている教育について、むすめに対して不足しているのではないかという恐怖感が常に付きまといます。本書を読んで、統計では子どもの学力は母親がその多くをになっているという結果を見て、妻の行動がむすめに良い影響を与えていることに感謝の念がわきました。ダメな自分を支えてくれているのは家族なんだと改めて気づかされました。

 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。


格差が遺伝する! 子どもの下流化を防ぐには (宝島社新書) [ 三浦展 ]

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