へっぶしんのニュースや日記

格差社会に疑問を感じながら日々を過ごしています。 まともに働いても給料が減り続けるので、副業で投資をして資産を築こうと株と投資信託、FXをしています。 趣味の読書とアイネット証券のループイフダンの日々の成績について書いていきます。

2020年01月

〜遺伝で自己家畜化を選んだ日本人〜 『もっと言ってはいけない』(橘玲)を読んで


 へっぶしんです。日々メンタルを削りながら仕事をしています^^;

 どこまで心が持つのかというチキンレースのような状況になっています><

 3月には、ひと段落するのですが、あと1か月は厳しい状況が続きそうです^^;

 さて今回は、「〜新下流層の出現〜 『言ってはいけない〜残酷すぎる真実』(橘玲)を読んで」の続編を読みました



 帯より、

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日本人の3人に1人は日本語か読めない?


人種で知能は違う!?


「置かれた場所」で咲くのは不幸!?


高所得をもたらす性格は!?


人間社会のタブーが


また、明かされる!


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帯裏より、

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 日本は世界一「自己家畜化」された民族/差別の温床は遺伝にある/知識社会に適応できない国民が多いほど、その国が混乱する/リベラルな社会ほど遺伝率が上がる/年を取るほど、親に酷似する/教育無償化で弱者はさらに苦しむ/先進国の知能は低下し始めている/男は極端、女は平均を求める/IQの高い国と低い国がある/知能の高い国はリベラルになる/言語が乏しいと保守的になる/人類の先祖は水生生活者/海外で成功した日本人にはワケがある/日本が華僑に侵されない理由/日本人は「ひ弱なラン」

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 帯には、衝撃的なフレーズが並んでいます。最近の遺伝行動学では、想像以上に遺伝の影響が大きいことが分かってきたようです。また、日本人の1/3は日本語が読めないというのは、国際機関によるテストの結果で、それでも諸外国よりは読める人の比率が高いようです。世論調査やネットを見ていると、読解力についてはうなずける部分が多いなというのが実感です。

 筆者は、遺伝について「リベラル」に判断すべきだと主張しており、また「ある程度」は「遺伝決定論」を受け入れるべきだと主張している。

 前書きで、

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「遺伝決定論」を批判するひとたちは、どのような困難も本人の努力や親の子育て、あるいは周囲の大人たちの善意で乗り越えていけるはずだとの頑強な信念をもっている。そしてこの美しい物語を否定する者を、「差別主義者」のレッテルを貼って葬り去ろうとする。
 だが、本人や子どもがどれほど努力しても改善しない場合はどうなるのだろうか。その結論は決まっている。努力しているつもりになっているだけで、努力が足りないのだ。なぜなら、困難は意志のちからで乗り越えられるはずなのだから。
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 と、述べています。知能は「ある程度」遺伝に左右されるようですが、遺伝の影響をを一切認めないと、「だれでも努力次第で東大に入ることもできるし、大企業の社長にもなれる。企業で昇進できない人、学力が上がらない原因はすべてが怠惰に起因する。」ということになります。

 そう言われると、反発したくなるのではないでしょうか。統合失調症やADHDも遺伝する確率が、身長や体重よりも高いようです。これが、日本では「言ってはいけない」事実だと筆者は主張しています。

 さて、「言語が乏しいと保守的になる」、「日本は世界一「自己家畜化」された民族」について考えていきたいと思います。

 「言語が乏しいと保守的になる」では、PIAACというOECDの主催で、16歳から65歳の成人を対象として「読解力」、「数的思考力」、「ITを活用した問題解決能力」の3分野を測定する「国際成人力調査」を説明しています。これには、23か国が参加しています。

・イギリス(ITスキル19位)のブレグジット
・アメリカ(数的思考力・ITスキル21位)大統領選挙でのトランプ大統領の選出
・フランス(読解力21位、数的思考力20位)の大統領選での「極右」の国民戦線のルペン候補者が決選投票に残る
・ポーランド(読解力19位、ITスキル23位)の排外主義的な右派政権の誕生

などを根拠としています。

 これでは、日本の極右長期政権を説明できませんが、ヨーロッパでは「言語が乏しいと保守的になる」は、現象と調査結果に相関関係がありそうです。日本に当てはめて考えてみると、自民党の支持者が約30%です。これを乱暴に、文章の読めない1/3に当てはめてしまえば、相関関係を説明できることになります。無理やりですが。だから、自分に不利になる政策を続ける政権を維持させ続けているのでしょう。〜所得格差拡大を憂う〜 『上級国民/下級国民』(橘玲)を読んででも書きましたが、徐々に、真綿で首を絞めるように日本人の平均世帯年収が下がり続けています。それにもかかわらず、逆進性(高所得者の負担が少なく、低所得者ほどダメージが大きい性質)のある消費税を増税しても、社会的な混乱が起きません。自民党を支持する日本で苦しい生活を余儀なくされている人は、「言語が乏し」く、自らの支持や投票行動によって自分を窮地に追いやっていることを理解できていないということになります。そうすると、現在の日本で起きている現象を説明できることになります。因果関係では、「言語が乏しいと保守的になる」を証明するのは大変でしょうが、読解力をキイワードにして相関関係があるということは言えるのではないでしょうか。

 次に、「日本は世界一「自己家畜化」された民族」ですが、これは、日本の地理的な環境によるものだと筆者は説明しています。農業社会では、狭い土地に人が密集して住むことになるために、狩猟・採集社会では必要だった「勇敢さ・獰猛さ」といった性質が嫌われるようになったということです。つまり、自ら牙を抜いたということになりますね。

 さらに進んで、指導者に逆らうものは徹底して排除されるという社会になり、指導者に従順に従う性質を身につけたと説明します。たしかに弥生時代以来、日本は農耕社会が続いていました。その歴史の中で、周囲との摩擦(行き過ぎると抗争に発展する)を避けるために必須のスキルのように思えます。このような性質が、遺伝的に組み込まれているとしたら、民主主義社会の想定する市民には到底なれませんね。遺伝で歴史を説明できてしまうという時代が、もうそこまで来ているのかもしれません。

 日本人の原罪として、太平洋戦争での周囲の国々への残酷な侵略行為を挙げることができ、なぜ道を間違えたのかの検証と、考察を続けなければなりません。個人的には、日本人の指導者への批判的能力の低さが、太平洋戦争の惨禍を引き起こしたのではないかと考えています。そして、なぜ、指導者が無能で、道を誤ってもついていってしまうのかが、「日本は世界一「自己家畜化」された民族」で説明できてしまうのであれば、何とかして克服したい性質ではないでしょうか。




 あなたの性格や考え方は遺伝で決定されている。と言われると、違和感を覚え、反発したくなります。しかし、最新の遺伝行動学では、自分は思っている以上に遺伝に影響されているようです。ただ、環境が自分を変える余地もかなりあるようです。自分にできるのは、自分の環境を自分で作っていくということです。

 残念なことに、子育てが子どもに与える影響はほとんどないようです。しかし、性格の遺伝はあるようです。また、遺伝以外に人格を形成する要因として、「非共有環境」(平たく言えば子供の友達関係)が、子どもに与える影響が大きいようです。であれば、家庭での子育てやしつけは効果がないとしても、子どもが付き合う友人環境には、親がある程度介入できるのではないでしょうか。

 遺伝行動学の知見を、自分に当てはめてみて、行動を決めていきたいです。


 著者は、橘玲氏です。 1959年生まれ。作家。国際金融小説『マネーロンダリング (幻冬舎文庫)』『タックスヘイヴン (幻冬舎文庫)』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方新版 知的人生設計のすすめ (幻冬舎文庫)』『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』など金融・人生設計に関する著作も多数。

 『言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)』で2017新書大賞受賞。近著に『もっと言ってはいけない (新潮新書)』『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』『人生は攻略できる』など。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。





〜日本社会の豊かさが奪われていく〜 『アンダークラス』(橋本健二)を読んで




 へっぶしんです。相変わらず仕事が最繁忙期で、メンタルが削られ続けている中の、つかの間の休日です^^;

 ランチでちょっぴり贅沢をしようと全力で回っているすし屋で昼食を食べていたら、サザエさんのように財布を忘れているのに気づきました。せっかくの贅沢が、スリリングな冷や汗に変わりました><

 結局は、スマホケースに入れている定期券をお店に預けて、家まで財布を取りに帰りました。後半のすしの味を全然覚えていません^^;

 さて、今回は『新・日本の階級社会 (講談社現代新書) [ 橋本 健二 ]』の続編の本です。



 帯より、

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出口の見えない不況の影で

「彼ら」は急速に増大した

この国を揺るがす衝撃の事実

930万人がアンダークラス

転職回数が多いと高齢アンダークラスになりやすい

「本が10冊以上ない家庭環境」で育つとアンダークラスに陥りやすい

女性がアンダークラスに陥るきっかけは「夫との離婚・死別」

落とし穴は、すぐそこにある


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帯裏より、

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 フリーターの先駆けだった元・若者たちは、すでに50歳前後となっている。その多くが、正規雇用を経験することなく、あるいは一時期しか経験することなく、今日に至っている。このような若者たちが、30年間にわたって社会に排出され続けてきた。そして離死別を経て、主婦から単身の非正規労働者へと転じた女性がここに加わり、巨大なアンダークラスが形成されてきた。アンダークラスを生み出す社会のしくみは、すでに日本の社会に深く根を下ろしてしまっている。

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 筆者は日本の階級構造を、
 ・資本家階級
 ・新中間階級
 ・労働者階級
 ・アンダークラス/主婦

と、旧中間階級に分けています。資本家階級、新中間階級、労働者階級、アンダークラス・主婦は、年収で縦に階層をなしています。これに、旧中間階級が独立した階層として横に置かれています。


 資本家階級は、構成比が4.1%で、個人年収が604万円・世帯年収が1060万円。

 新中間階級は、構成比が20.6%で、個人年収が499万円・世帯年収が798万円。

 労働者階級は、構成比が62.5%で、個人年収が263万円・世帯年収が564万円。

 旧中間階級は、構成比が12.9%で、個人年収が303万円・世帯年収が587万円。


 この本では、労働者階級にスポットを当てて、労働者階級の中で正規雇用の層と非正規雇用の層で分断が起きていると指摘しています。男性のデータをみると、正規雇用では個人年収が428万円・世帯年収が610万円です。非正規雇用になると、個人年収が、213万円・世帯年収が384万円です。


 これを見ると、私は労働者階級と新中間階級の間くらいで、新中間階級に近い収入を得ていることになり、首をかしげてしまします^^;


 それにしても、労働者階級内の分断の大きさは目を覆うばかりでしょう。労働人口が約6500満人と言われている中で、930万人もの人が世帯年収384万円でくらしているということは驚きです。これでは、食べていくだけで精一杯で、余暇を楽しんだり、ちょっとした贅沢を楽しむなどということは全くできないでしょう。


 そして、年収200万円台のアンダークラスに陥ってしまうと、未婚率が34%になり他の階層の17%の倍になります。おそらく余暇を過ごす金銭的な余裕がなく、男女が出会う場に行くことすらできないのでしょう。20代では15%ほどで10-50代では12%ほどがアンダークラスにいるようです。60代以上では比率が増えますが、企業の再雇用等で正規雇用の人が非正規になるからだとしています。結婚に関しては、適齢期を過ぎていると考えられる40代男性で、他の階層では8割前後が有配偶者なのに対して、アンダークラスでは約20%しか結婚できていません。収入が足りないために結婚ができないということが明白ですね。


 また筆者は、1990年代に出現したフリーターに対しての当時の分析を批判します。当時はパラサイトシングルなどと珍奇な目で見られていましたが、今から振り返ると、正規雇用のイスがないために非正規に甘んじるしかなかったのが実態のようです。そして、独立せずに親元で生活していたのも、独立するのに足る収入がなかったためだと主張しています。


 これがロストジェネレーションといわれている社会に出る時期が、就職氷河期と一致している世代と重なります。当時は、企業のリストラが方々で行われており、社会の目は失業したお父さんたちをどう支えるかに集中していたために、若者の就職まで支援が回らなかったようです。そのために、正規雇用を経験できずに業務スキルを身につける機会のなかった層が、アンダークラスになっているということです。さらには、企業が正規雇用を絞って非正規雇用を増やしているために、社会に出た瞬間からアンダークラスにいて、上昇する機会のない若者が毎年排出されているとしています。


 これらアンダークラスの男性は、貧しい家庭で育った比率が他の階層よりも高く、文化的環境に恵まれておらず、教育投資もされていない比率が、他の階層と比べて際立って高い特徴があります。まさに、「格差の遺伝」がおきているようです。さらに、学校でいじめなどを受けて不登校になったことのある比率も、他の階層と比べて突出しています。これを筆者は、「学校教育からの排除」と表現しています。


 またアンダークラスの女性については、出身家庭の環境は様々なようです。どちらかというと、結婚後に配偶者との死別・離婚が原因で貧困に陥ることが多いようです。


 これら59歳以下のアンダークラスの層の現状を筆者は、
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 五九歳以下の若年・中年アンダークラス男性と女性は、極度の貧困状態にある人が多く、安定した家族を形成したり維持したりすることもできない状態にある。肉体的にも精神的にも多くの困難を抱えており、状況が改善する見通しもない。五九歳以下の失業者・無業者は、さらに深刻な問題を抱えており、アンダークラスの一部、しかももっと下層性の強い部分とみなすことができる。
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と表現し、無業者を含めると2割くらいの層をなしていると指摘しています。この状態を放置すれば、いずれアンダークラスの層が高齢になった時に、社会保障に多額の費用がかかり、国の財政に大きな負の影響を与えると警鐘を鳴らしています。


 また、永山則夫を例に出して、自らの境遇に不満を抱き、階層を上昇させる機会がないために自暴自棄になり、無差別殺人などの事件が増えると指摘しています。


 確かに、秋葉原の通り魔事件、相模原の障がい者施設での大量殺人事件などの事件が、社会を震撼させています。構造的に生み出されてしまっているアンダークラスの人たちが、安心して生きられる社会を作らなければ、日本の足元が崩れていってしまうでしょう。


 この本で筆者は、自分がアンダークラスでないのは偶然にすぎないのだから、社会を下から支えているアンダークラスの人に居場所を提供するように政治を変えるべきだと主張しています。自分の育った環境を考えると、たまたま恵まれた家庭に生まれただけで、たいした能力もないと自覚しています。

 今まで紆余曲折を経ながらも、現在はなんとか正規雇用で仕事をできています。現在の生活環境は、育った環境よりも劣化はしていますが、むすめを私立の中高一貫校になんとか通わせることができています。これらは、自分の努力という枠の外で授かった「恩恵」に浴している部分が少なくありません。

 だからこそ、今よりももっとリベラルな社会になって、より多くの人が安心して、より豊かにくらせる社会になってほしいと願っています。個人的には、仕事にいっぱいいっぱいで、ストレスに負けそうになって、自分にまけることが多いですが、今の日本での自分のポジションはむしろ恵まれている方なのだと自覚しながら、生活に困窮してる人に対してできることを考えていきたいです。


 筆者は橋本健二氏です。

 1959年生まれ。東京大学教育学部卒。東京大学大学院博士課程修了。静岡大学教員などを経て、現在、早稲田大学人間科学学術院教授。専門は社会学。著書に『階級都市 格差が街を侵食する (ちくま新書)』、『新・日本の階級社会 (講談社現代新書)』、『「格差」の戦後史 階級社会日本の履歴書 (河出ブックス)[本/雑誌] (新書)』、『はじまりの戦後日本 激変期をさまよう人々 (河出ブックス) [ 橋本健二 ]』などがある。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。






〜学歴社会・教育格差の被害者たち〜 『ルポ教育困難校』(朝比奈なを)を読んで

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 へっぶしんです。ブログの更新を、仕事の最繁忙期だという言い訳でさぼっています^^;ただ、7:00過ぎの時間にちょっとした業務があって、さらに23:00まで家に帰れない日があったりすると、休みでもとにかく体を休めたくなって、頭も使いたくなくなってしまいます^^;

 ま、毎日が長時間労働ではないのが救いですが、メンタルは相変わらず追い詰められてきついです><


 帯より、

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見捨てられる生徒

追い詰められる生徒

知られざる「底辺校」衝撃の現実


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帯裏より、

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「先生、いくら勉強しても

わかんない人っているんだよ。

分かんないと思うけどさ」

高校改革が進む一方、

社会から取り残される「教育困難校」の生徒たち。

在学生、卒業生、教員、PTA関係者など、

現場のさまざまな声を通し、

現状と課題を照射する。

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 高校の教員を長年務めた筆者が、「教育困難校」の実情を述べ、社会への警鐘を鳴らしています。

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 「教育困難校」では授業を始めることに大変な苦労を要する。授業開始のチャイムが鳴っても、教員が既に教壇に立っていても、多くの生徒は自分の席についておらず好きなことをやっている。廊下で友人とたむろしている者、教室内で友人と大声で話している者、机上にマスカラやリップを並べて化粧に余念のない者等々さまざまな行動をしているが、最近ではスマホに向かっている生徒が最も多い。複数の教員が廊下を巡回しながら「チャイムが鳴ったぞ。教室に入れ!」と大声で注意するが、「うるっせえな」などと小声で返しつつ行動をなかなかやめようとしない。
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 「教育困難校」の授業前の日常の記述ですが、どこの幼稚園だ?と驚いてしまいました^^;ただ、帯にもあったように、小中学校の段階で授業についていけないという経験をした子どもは、勉強に対して後ろ向きになり、自分に対しては勉強が必要のない者だと思い込んで自分を守ろうとしているのでしょうか。勉強が好きで好きで仕方がないという人も、世の中のごく一部の人だとは思いますが、できないなりに何とかできるようにしなけらば習いくらいの認識があるのが普通でしょう。


 最初に筆者は「底辺校」という言い方に、子どもたちが傷ついている。卒業生も、自分が卒業した学校を言いたがらない。と述べています。同窓会も組織されず、OBからの寄付もない。そして、入学時の学力が低い学校を、世間では「底辺校」と言い、筆者は「教育困難校」と書いています。


 一般的にも、教育関係の学者でも、はっきりとした定義のない「教育困難校」ですが、筆者は入学偏差値が44以下、または38以下だと述べています。東京や大都市圏では例外的に中高一貫校が多いため、高校入試をする生徒たちは、学力上位層がほぼ抜けた中での競争になります。そのため都立の高校入試では、難易度の低い共通問題と学力上位層を選抜するための独自作成問題に分けられています。公立高校の入試は都道府県でさまざまにあると思いますが、学校の勉強だけではとても対応できない入試になっている東京都は、全国的にみると特殊なのではないでしょうか。このように都道府県によって、学力平均値である偏差値50にばらつきが出るために、筆者は偏差値44〜38以下を「教育困難校」としているのでしょう。


 個人的には、勉強なんか好きではなく、高校でも赤点を取って追試になるという面倒な事態を避けるために、定期試験では好きな教科はそれなりに勉強し、赤点ぎりぎりの強化は重点的に勉強するという手抜きの試験勉強をしていました。しかし「教育困難校」では、そもそも単元のポイントが何なのかを生徒が理解できないために、事前に定期テストと同じかもしくはそっくりな「対策プリント」を配布して、答えだけを覚えていれば単位を取れる状況にしているようです。そして、なんとか生徒に単位を取らしているとのことです。正直、そこまでしなければ成績を維持できないのであれば、普通科高校に行く必要はないと感じてしまいます。しかし筆者は、そのような「教育困難校」がなくなれば、高卒の資格を取れない子どもが大量に生み出され、「社会に出る際の最低限のパスポートともいうべき存在」を持たない人が街にあふれだしてしまいます。また、生育過程でネグレクト(育児放棄)にあっており、最低限の社会的マナーを身につける機会のない子どもが、放置されたまま社会に放り出されます。さらには、そのような社会的なマナーが十分に身についていない子どもが昼間の街にあふれだせば、治安も悪化するでしょう。そのようなことを防ぐためにも、「教育困難校」には存在意義があると言います。


 学習障害や貧困家庭に生まれたために、将来への希望が持てず、学習意欲・様々なモチベーションを持つことのできない子どもでも、大人になり社会に出なければなりません。そして、そのような子どもでも仕事をして生活を維持していかなければなりません。筆者は「教育困難校」出身者が、現在の低賃金労働の担い手だと述べています。これが外国人技能実習生の制度などで、外国人労働者が増えると、競争に勝てずに仕事を失う人たちだと述べています。そのため、「教育困難校」にこそ教育予算を振り向けるべきだと提言しています。



 以前に〜中学生の5割が教科書を理解できない〜 『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子)を読んでで書きましたが、学校の教科書を中学生の半分が自分で読むことができないという調査結果が出ています。そして、今回の本では、筆者は偏差値44〜38以下の入学偏差値の学校を「教育困難校」と定義しています。偏差値44と言えば、学校の平均を少し下回る程度ですが、そのレベルでも授業を聞いても先生が何を言っているのか理解できないということになります。意味の分からない授業を50分間も聞かせ続けられて、それを1日に6コマも受け続けなければならないとすると、とてつもない苦痛ですね^^;幸いに、私は内容がつまらないとは思っても、何を言っているかがわからないという事態の遭遇したことはほとんどないので、そのような子どもたちの日々を想像することはできません。

 ただ社会問題として、Fラン大学を揶揄する内容の読み物などを見ることが多くあります。私も、上述しましたが、そこまでして大学卒になっても意味がないのではないかと思っていた一人です。しかし、生まれた家庭によって、そもそも将来に希望が持てなかったり、学習意欲が低かったりするような子どもが、今の日本には多く存在します。そして、収入の低い家庭で生まれ育った子どもの成績・学習意欲が低いということが、統計的に有意だということが明らかになっています。

 現在の日本は、少子高齢化により企業は人手不足で困っています。これは、大企業がため込んでいる450兆円の内部留保があります。社会的に正しさを追い求めようとすれば、大企業は内部留保の半分でも人件費や国内での設備投資を増やすことに使えば、一気に景気が良くなります。そうすれば、貧困家庭が減り、意欲の少ない子どもの数が減ることになります。

 現在15%と言われている就学援助を受けいている貧困家庭の子どもが、少しでも減る社会になってほしいです。


 筆者は朝比奈なを氏です。

 筑波大学大学院教育研究科修了。公立高校の地歴・公民科教諭として約20年間勤務し、教科指導、進路指導、高大接続をテーマとする。早期退職後、大学非常勤講師、公立教育センターでの教育相談、高校生・保護者対象の講演等の教育活動に従事。主著に『置き去りにされた高校生たち 加速する高校改革の中での「教育困難校」 [ 朝比奈なを ]』ほか。


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