へっぶしんのニュースや日記

格差社会に疑問を感じながら日々を過ごしています。 まともに働いても給料が減り続けるので、副業で投資をして資産を築こうと株と投資信託、FXをしています。 趣味の読書とアイネット証券のループイフダンの日々の成績について書いていきます。

2019年09月

〜自分の思考はわりと不自由だということを知る〜 『寝ながら学べる構造主義』(内田樹)を読んで

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

寝ながら学べる構造主義 (文春新書) [ 内田 樹 ]
価格:842円(税込、送料無料) (2019/9/26時点)






 へっぶしんです。

 本日は仕事が休みなのですが、家でうだうだしていて、あまりにもお腹がすいたのでランチのために街に出たのが13:30でした。どれだけ時間を無駄に過ごしているのかと愕然となってしまいました^^;


 今回の本では、ちょっとした発見がありました。難解な本に挑戦するのが好きで、その分、文章が難しすぎて挫折することがままあります。この分の意味が分かる人ってすごいなと思っていたのですが、難文は学者が読んでも難文だということがわかりました^^;


 わからないものは、わからないんだなと^^;



 著者は内田樹氏です。

 
  1950年に東京で生まれ、東京大学文学部仏文科を卒業され、東京都立大学大学院博士課程を中退されています。2011年の3月に神戸女学院大学大学院文学研究科公寿を退職されています。現在は神戸女学院大学の名誉教授でいらっしゃいます。専門はフランス現代思想、映画記号論、武道論です。2007年に『私家版・ユダヤ文化論 (文春新書)』で第6回小林秀雄賞を受賞されています。さらに、『日本辺境論 (新潮新書)』で新書大賞2010を受賞、他の著作に『ためらいの倫理学 戦争・性・物語 (角川文庫)』、『「おじさん」的思考 (角川文庫)』、『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち (講談社文庫)』、『街場のメディア論 (光文社新書)』、『レヴィナスと愛の現象学 (文春文庫)』、『他者と死者 ラカンによるレヴィナス (文春文庫)』などがあります。



 P.167「構造主義者の書く文章は読みやすいとは言えません。特にラカンは、正直に言って、何を言っているのかまったく理解できない箇所を大量に含んでいます。」


 この記述にとても驚きました。難解な文章であっても、学者は理解していると思っていた先入観を見事に破壊してくれました^^


 P.169「まだ動き回ることができず、栄養摂取も他人に依存している幼児的=ことばを語らない段階にいる子どもは、おのれの鏡像を喜悦とともに引き受ける。それゆえ、この現象は、私たちの目には、範例的なしかたで、象徴作用の原型を示しているもののように見えるのである。というのは、<私>はこのとき、その始原的な型の中にいわば身を投じるわけだが、それは他者との同一化の弁証法を通じて<私>が自己を対象化することにも、言語の習得によって<私>が普遍的なものを介して主体としての<私>の機能を回復することにも先行しているからである。」」


 この次に来る文が、P.170「この難文をとにかく意味の分かる日本語に書き直しましょう。」です。術語(テクニカルターム)が含まれていて、「象徴作用の原型」とか、一般の人間(もちろん私を含みます)が知るはずもない単語・表現が大量に含まれると、意味が分からなくなりますよね^^;このような文に接したときに、自分の知識不足や読解力不足によって読めないのだと、今までは自分の無知にがっかりしていました。しかし、気を落す必要がないのだと、著者に勇気づけられました^^


 構造主義自体は、帯に書いてあるように著者が分かりやすく説明をされているので、大体はどのようなものなのかがわかりました。ただ、新井紀子氏の読解力関連の著作から、構造主義の考え方を現在のほとんどの日本人が習得しているという考え方には疑問を持つようになってしまっています。


 著者が構造主義の考え方の例に引いているのが、20世紀の帝国主義時代の植民地の支配者と被支配者の立場を今なら両方の立場で考えられるというものです。しかし、今まさにワイドショーなどで流されている嫌韓報道を見ていると、政府の首脳・大量の嫌韓報道を見させられている日本国民で、日本と韓国の両方の立場に立ちながら考えられる人は、一部にとどまっていそうです。出なければ、テレビ局があきもしないで、嫌韓報道を繰り返し、原因を作った日本政府の失策に対する批判がほとんどないことの説明ができません。


 一部の日本・韓国の両方の立場からものを見ることのできる人間だけが、劣化したテレビ報道に怒りを覚え、またウンザリしています。これが、ほとんどの人がうんざりしているのであれば、テレビ局へ批判が殺到するはずです。しかし、ほとんどの人はテレビの劣悪な報道を受け入れているために、大手テレビ局の日本政府を批判せずに嫌韓報道を繰り返すという愚かな姿勢を変えられないのです。


 他にも、構造主義の考え方から、学校教育で行われている「体育座り」が、生徒を支配するのに大きな役割を果たしていることが明らかになっているということに驚きました。体を屈して、自分の動きを制限し、浅くしか呼吸できない姿勢をとらせるということが、異常なことだと感じたことは今まで一切ありませんでした。世の中で当たり前に行われていることで、知らず知らずのうちに自分の自由を大きく奪っているものがあるという新鮮な発見ができて、とても有意義な一冊でした。


 目の前で行われていることにどういった意味があるのかを考え続けないと、知らず知らずのうちに軍国主義の考え方が身に沁み込んでしまいそうな日本の状況です。常に批判的な精神を持ちながら物事を見つめ、意味を考え続けていかなければ、奴隷的な思考の持ち主にされてしまいそうだと怖くなりました^^;


 頭を使い続けなければならないと、改めて決意させられました^^


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

寝ながら学べる構造主義 (文春新書) [ 内田 樹 ]
価格:842円(税込、送料無料) (2019/9/26時点)



〜日本の地方創生を考える〜 『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか』(高松平蔵)を読んで




 へっぶしんです。

 アフィリエイトがうまくいかずにへこむ日々が続いています^^;ま、本業は会社員なので、いつか自宅のPCの前が仕事場になればストレスのない生活ができるかな?くらいでやっているので、成果が出ないのかもしれませんが^^;

 相変わらず、本を読むペースにブログを書くペースが間に合っていないために、読み終わった本の山がなかなか片付きません^^;

 さて、『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書 [ 西岡 壱誠 ]』で紹介されてた本を買ってみたのですが、日本では全くうまくいっていない地方創生が軌道に乗っているドイツの地方都市について書かれた本です。

 地方都市の衰退に問題意識を持っている方には、ぜひご一読いただきたい一冊です。



 作者は高松平蔵氏です。

 
 ドイツ在住のジャーナリストの方で、1969年にならで生まれた後に、会社勤務を経て独立されています。さらに、京都経済新聞社を経てジャーナリストになられています。1997年ころから、ドイツのエアランゲンと日本を行き来する生活をされています。2002年からドイツ・エアランゲン市を拠点にして現在に至っています。著書に『エコライフ : ドイツと日本どう違う【電子書籍】[ 高松平蔵 ]』があります。



 ドイツのエアランゲン市に住まれている著者の目から、日本の地方都市とドイツの地方都市が比較されています。著者が着目している点として、「質の高い都市」=「文化の充実度が高い都市」というものがある。また、ひとつの自治体ですべてがそろうということも重要視されています。

 生活のためのすべてのものをそろえられる自治体の規模とはどれくらいなのでしょうか。

 筆者は、10万人前後だと主張しています。

 しかし、ドイツでは50万人以上の自治体が12、100万人規模の自治体は3つだけですが、、日本では50万人以上の自治体が25もあります。都市への人口の一極集中や、市町村合併をする前に(もうかなり進んでしまっていますが)、最適な都市のサイズをただ単に大規模ならいいという発想から脱却して考えた方がいいですよね。生活に不自由しない近隣の都市が連携をしあっていくという発想が大切です。

 また、日本の過疎の問題で失われつつあるものが、ひとつの自治体ですべてがそろうということでしょう。教育・医療すらままならない自治体が増えています。補助金に頼り独自性を失っていく限界集落を多く抱える日本の自治体に比べると、輝いて見えるのがエアランゲン市です。

 衰退途上にある日本の自治体が、まずは取り組まなければならないのが「循環系」の復活のようです。

 「循環系」とは、「行政の企業誘致の成功」⇒「地域の人々に地元の職場ができる」⇒「都市の経済力が高まる」⇒「高い生活を実現するための環境整備ができる」⇒「文化度の高い都市の実現」⇒「企業誘致につながる」という都市が活性化するための好循環だと筆者は定義しています。

 日本では、産学連携というと大企業と有名大学の世界最先端の研究にこだわっている印象を受けます。調べていないのであまり偉そうなことは言えないのですが、その地方固有の問題を解決するための産学連携というのがあってもいいのかなと思います。観光の誘致をしたいのであれば、どの地域にも固有の歴史があり、他の地域とは異なる特産物があるはずです。それを農業研究したり、伝統的工芸品として申請したりといったことができそうです。その研究成果をSNSなどで発信していけば、観光資源になりうるのではないでしょうか。下調べなどを研究の一環として大学生がゼミなどで行い、それを自治体・企業が発信していくという仕組み作りなどは、今の日本の制度でもできそうです。

 個人的な体験では、海外に行っても都市はどこも同じように感じました。しかし電車で30分も移動すると、その国・その地方特有の風景が広がっていました。東京では、都心から電車で30分移動すると、あまり個性のないベッドタウンが広がってしまっています。首都圏では、地域の特性が出しにくくなってしまっています。だからこそ、人口が一極集中していない地方都市は、自らのアイデンティティに基づく特色ある都市づくりを再生する可能性があるのではないでしょうか。

 900万人もいる東京の特別区が失ってしまった地域の独自性を、日本の地方都市が取戻してくれれば、人口減少が進み経済規模が小さくなっていく日本にも、希望が持てるようになるのではないでしょうか。そんな変化の可能性を感じさせてくれる一冊です。


 少子高齢化が止まらない日本にあって、合計解く出生率の低い東京都に若者の人口流入が続くという、衰退の悪循環を止めるには、地方都市の再生がカギになるのではないでしょうか。大都市の魅力ではなく、特色のある地方都市の魅力を作っていける日本になるためには、世界の中で成功している地方都市に学ぶ姿勢が大切ではないでしょうか。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。






〜モンゴルの草原に思いをはせる(5)〜 『絶影〜チンギス紀五』(北方謙三)を読んで





 へっぶしんです。

 さぼっていた期間を、年間でめったにない連休で取り戻せるでしょうか^^;

 発売とともに家に届いて、読むのは早かったのですが、そこからブログにするまでに約2か月も寝かせてしまいました。読んだ本というのは熟成するのでしょうか。なんてろくでもないことを考えながら、本日2本目を書いています^^;(暇なのかと言えば、休みの日は暇ですとしか言いようが。。。)



 作者は北方謙三氏です。

 
 1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。

 81年『弔鐘はるかなり (集英社文庫)』でデビュー。

 83年『眠りなき夜 (集英社文庫)』で第4回吉川英二文学新人賞、85年『渇きの街 (集英社文庫)』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星 (集英社文庫)』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。

 2004年『楊家将(下) (PHP文庫)』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝完結BOX (集英社文庫)』で第9回司馬遼太郎賞、07年『【中古】独り群せず /文藝春秋(文庫)』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝「全15巻+読本」 (集英社文庫)』で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。

 13年に紫綬褒章を受章。

 16年、第64回菊池寛賞を受賞。『【中古】三国志[文庫版]【文庫版 三国志全13巻+三国志読本 計14巻  全巻セット』、『史記 武帝紀 時代小説文庫 7巻セット[本/雑誌] / 北方謙三/〔著〕』ほか、著書多数。



 第5巻を読み終わってもまだ、テムジンのモンゴル族の統一すらままならない状況です。何巻まで続くのでしょうか^^;本を読むこと自体は、泳ぎ続けなければ呼吸が止まってしまう鮪のように、文字を読み続けなければ、脳が・・・。になってしまいそうなので、活字には毎日触れていて、楽しくて仕方がないので全く問題ないのですが、新巻を待つというのがどうにも我慢できません。

 思春期の頃の週刊誌のマンガの新巻を待っていた時の感じを思い出します^^;

 さて、物語の内容ですが、テムジンがタイチウト氏と戦闘をすると前に立ちはだかり、勢力を伸ばす障害になっていた玄翁の正体が判明します。というか・・・。

 あとは読んでのお楽しみというところでしょうか。。。

 テムジンがこの後、モンゴル族を統一して、さらにモンゴルの地も統一して、草原から大きく西方に支配を広げるモンゴル帝国の基礎を築くのですが、北方氏はその基盤を兵站(ロジスティクス)に求めているようです。世界史のお勉強では、駅伝制(ジャムチ)という情報伝達手段が出てきたかと思いますが、鉄山を探し続け、馬の牧場を整備し、あらゆるものを交易に頼らずに自前で調達できる国作りを行っています。モンゴルの草原で作られたものが、のちに遥か西方にまでもたらされるのでしょうか。

 第6巻が待ち遠しいですね。




 じつは、冬になると森に入るメルキト族の長のトクトアの行動にちょっと魅かれています。数万人を統べる部族の長でありながら、ひとりで森に入り狩猟をしながら冬を越すという自然との戦い(共生?)をしているのは、人のしがらみから逃れたいという心情の発露でしょう。

 私自身は、とくに人を統べるような立場にあるわけではありませんが、サービス業のサラリーマンのため、常に人にもまれています。

 「ひとりになりたい」


 という気持ちは、心に染み入るほどよくわかります。ただ、冬のモンゴルの森で一人きりはさすがに大変そうですね^^;


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。






〜獅子心王リチャードとサラディンの対決〜 『十字軍物語(三)』(塩野七生)を読んで






 へっぶしんです。 相変わらず読み終わった本が山と積まれていて、本から、「いつブログにしてくれるの?」という声が聞こえてきそうな状態が続いています^^;

 そして、妻やむすめから、「いつ片付けるの?」といいたげな冷たい視線を浴び続け、家に帰るのが苦痛になり、飲んで帰り、妻の視線がさらに冷たくなるという悪循環の生活が続いています^^;

 世界の、日本の平和を願う前に、我が家が平和にならないかというささやかな願いが叶うことを、心から願っています。もちろん、世界が平和になり、日本が平和になることも望んでいます。

 連続になりますが、四巻立ての三巻目を読み終えました^^塩野七生氏の『十字軍物語(2)』です。日本史はある程度は通史が頭の中に入っているのですが、世界史は高校生以来、体系的な学習を行っていないので、忘却のかなたです。『ローマ人の物語』、『海の都の物語』、『ローマ亡き後の地中海世界』を読みましたが、ヨーロッパ史は、なかなか頭に入りません^^;



 作者は塩野七生氏です。


 塩野七生氏は、学習院大学文学部哲学科を卒業後にイタリアに遊学され、多数の著書を書かれています。全巻読破したいくらいなのですが、多すぎます^^;

 主な著書に
ルネサンスの女たち (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

海の都の物語(1) ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

ローマ人の物語(1) ローマは一日にして成らず 上 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

など多数あります。

[概要]

帯より

-----------------------------------------------
 揺れる中東
 役者はそろった
 激化する総力戦
 「中世騎士道の華」と呼ばれた男が中途のうちを舞台に、イスラム世界の盟主と相まみえる!
-----------------------------------------------


  相変わらず、物語をあじわいながら堪能するということができずに、続きが気になるばかりに一気に読んでしまっています。伏線も情景描写などによる暗示も何もすっ飛ばして、ひたすらストーリーを追いかけています^^;



 キリスト教の聖地であり、イスラム教の第三の聖地でもあるイェルサレムをめぐる中世のキリスト教国家とイスラム国家の盟主同士の対決です。


 物語の時期は1187年のサラディンの大勝利となったハッティンの戦闘から始まります。サラディンにより奪われた聖都イェルサレムを回復するための第3回・第4回・第5回の十字軍の物語です。第5回の十字軍が終結した1221年で物語が終わっています。


 第3回十字軍は、スンニ派とシーア派に分裂していたイスラム国家を統一した英雄サラディンに、若きイギリス王のリチャードが立ち向かいます。第3回十字軍の発足では神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ1世・フランス王フィリップ2世・イギリス王リチャード1世が軍を率いてサラディンに立ち向かいます。しかし、フリードリッヒ1世は、陸路を中東に向かうも途中で、渡河中に落馬して命を落とします。さらに、中世的な領土欲からフィリップ2世は帰国します。このあたりの記述が、多くの封建領主を従える王ではあるが、直轄領の少ないフランス王の事情に迫っていて大変興味深かったです。


 サラディン対リチャードの戦闘も、大軍を率いていながら先頭に勝利できないサラディンの苦境と、少数の兵で大軍と戦うリチャード1世の駆け引きに惹きつけられました。ローマ帝国を15年間書き続けた塩野氏の描写力がいかんなく発揮されていて、興味深い場面がとても多いです。


 さらに、3回にわたる十字軍の影の功労者であるイタリアの海洋都市国家であるジェノバ・ピサ・ヴェネツィアの利害の対立が物語をまるで目の前で起こっている出来事のように、リアルに見せる役割を果たしていました。


 日本では、1185年に平家が滅亡して、鎌倉幕府が成立し、将軍家である源氏の滅亡に起因する承久の乱の年に3巻が終わっています。第5回十字軍の終了の年と、承久の乱の年が同じなんですね。ヨーロッパの中世が、登場人物の背景とともに生き生きと魅力的に書かれています。


 第1巻で戦争を書かなければ歴史を語れないと帯で宣言を指摘をして始まった十字軍の物語ですが、中世のローマ教皇庁・イスラム国家の体制の類似性(権威と権力の分離)や、王や封建諸侯の事情、ヨーロッパ・中東の住居の状況など細部に至るまで、想像力を巡らせて編まれた物語に魅了されるばかりです^^;

 第4巻は未購入なのですが、 楽しみです♪


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。









〜AIに仕事を奪われないための読解力アップ実践法〜 『AIに負けない子どもを育てる』(新井紀子)を読んで

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

AIに負けない子どもを育てる [ 新井 紀子 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2019/9/19時点)




 へっぶしんです。

 以前に書いた『AI vs.教科書が読めない子どもたち [ 新井 紀子 ]』を書いた著者の読解力を育てるための本です。今後20年の間に、現在ある職種の47%がAIにとってかわられるという衝撃の研究結果が出ており、著者はそれに対しては肯定的な見方をしています。そこで、AIに仕事を奪われないためのスキルとして著者が主張しているのが「読解力」です。著者が主導するプロジェクトで、AIで東大に入れるかというもの(「東ロボ君」)があり、そのプロジェクトを進めていくうちに、AIは意味がわからないということが明らかになっていきました。しかし同時に、現在の小中高校生にも、AIと同様の読解力不足という課題があることが明らかになりました。

 そこで、大学で教鞭をとる教員でもある著者が、RST(リーディングスキルテスト)を開発して、全国各地の小学校・中学校・高等学校でテストを実施した結果などが書かれています。



 作者は新井紀子氏です。

 
  国立情報学研究所教授で、その中の社会共有知研究センター長を務められ、一般社団法人「教育のための科学研究所」の代表理事・所長もされています。

 東京都出身で、一橋大学法学部・イリノイ大学数学科を卒業、イリノイ大学5年一貫制大学院数学研究科を単位取得退学、東京工業大学より博士(理学)を取得、専門は数理論学です。

 2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクタを務めます。2016年より読解力を診断する「リーディングスキルテスト」の研究開発を主導されています。

 主著に「ハッピーになれる算数」「生き抜くための数学入門」「数学は言葉 (Math stories) [ 新井紀子(数学) ]」「コンピュータが仕事を奪う [ 新井紀子(数学) ]」「AI vs.教科書が読めない子どもたち [ 新井 紀子 ]」などがあります。



 以下、本書の帯裏面より、
--------------------------------------------
 【問題例】
 以下の文を読みなさい。

 色やにおいで引き付けられた動物は、おしべの花粉を体につけ、別の花のめしべへと運び、植物の受粉を助ける。

 この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適切なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

植物の受粉を助けるのは(    )である。

_嵎粥 ´動物  おしべ  い瓩靴
--------------------------------------------

 いかがでしょうか。

 さほど難易度の高い問題ではないと思うのですが、このレベルの問題を数問、平均よりやや偏差値の高い高校の生徒に解かせると、正解率が7割前後になるようです。「植物の受粉を助ける」のは、問題文の主語である動物になることは明白なはずで、文の構文もそれほど複雑でないにもかかわらずです。本書にはこのような例題が28問あり、自分で筆者の開発したRST(リーディングスキルテスト)を体験できるようになっています。また、リーディングスキルテストには、「係り受け解析」、「照応解決」、「同義文判定」、「推論」、「イメージ同定」、「具体例同定」の6つの判定要素があります。

 私が試してみた感じでは、「係り受け解析」と「照応解決」は、間違えようがなく、「同義文判定」、「推論」はミスさえしなければ正解できそうでした。(満点に近い点数でした)ただ、「イメージ同定」、「具体例判定」になると、とたんに正解率が下がってしましました。自分の読み方のクセを自分で理解できました。ただ、「同義文判定」などは、いくらでも問題を難しくでき、専門分野の文をもってくると人によって大きく正解率が変わりそうに感じました。ただ、著者は問題のレビューやテストのデータから、人や専門分野による偏りを、本番のリーディングスキルテストからは排除できていると主張しています。

 さらに著者の主張では、公立高校から国立大学に進むような、「多様性」のある生徒構成の学校で育ったエリートに将来の期待を寄せています。これは、何度か当ブログでも書かせていただきましたが、現在の東大の入学者の約75%は、中高一貫校出身者で占められています。子どもに中学受験をさせられる社会階層は、私立中学に通わせることを前提にすると、世帯年収の上位2割に該当する年収800万が下限だと言われています。我が家はそれ以下の世帯年収で、むすめを私立中高一貫校に通わせてしまっているため、むすめの自己認識では社会の下層に位置していると思い込んでいます。また、けして楽に入れる学校ではないはずなのですが、自己肯定感は低く、自分を普通だと言っています。小学校4年生から塾通いをしても、入れる子供は上位1割くらいのレベルの子しか入れないレベルにもかかわらずです^^;

 おそらく、著者の主張したい点は、今の例のような環境で育った子供には、就学援助を受けなければならい家庭の状況や、学校の先生の授業がさっぱりわからないという感覚がないまま大人になるのが、一定レベル以上の中高一貫校で育った子どもだということなのでしょう。私自身も、私立の中高一貫校出身で、学校の授業がわからないと嘆くような友人はほとんどいませんでした。大人になってから知ったことですが、私が中高で受けたカリキュラムは、進学塾の選抜クラスレベルのものでした。先生が教科書をベースに授業をしようとすると、読めばわかるもののなので、誰も聞かなくなり授業が荒れていたように記憶しています。私自身も、高校時代は部活に明け暮れており、授業は寝ている時間の方が多かったように記憶しています。授業を受けていなかった分は、テスト前に友人にノートを借り、教科書・問題集・ノートと気合と根性と徹夜で乗り切っていたように記憶しています。おどろいたことに筆者の主張では、そんなことをできるのは一部の人間だけのようです。

 特に、リーディングスキルテストの下位25%は、コンピュータ上で実施するテストで、解答までの時間や始めてから終了するまでの35分間で解いた問題数から、まじめに説いているにもかかわらず、正解率が鉛筆を転がすのと変わらないようです。(4択だけであれば25%)例題に示したように、問題のレベルは、短い文に書いてある意味を理解できれば正解できるものです。どれだけミスをしたとしても、前半の「係り受け解析」と「照応解決」は間違えようがありません。

 したがって、AIに仕事を奪われないためには、少なくとも業務マニュアルを正確に読んだり、メールでのやり取りを正確にしたりする能力が必要ですが、それが高校を卒業するまでにできていない層が5割にも及ぶようです。そのために、著者は一般社団法人を立ち上げて、リーディングスキルテストの普及に努められています。なんと、一部上場企業でも、採用や新人研修などでリーディングスキルテストを導入しているとのことです。

 20年以内に仕事を奪われる47%にならないためにも、文章を正しく読む能力を高めていきたいですね^^;


  最近、テレビのニュース番組や情報番組の劣化が激しくて、誰も怒らないのかと不思議に思っていましたが、大人の半分は報道されていることを抽象化して分析する能力がないようです。大それたことを言っているわけではなく、嫌韓報道を見て、日本は大丈夫か?同様の政治家の政権与党の腐敗はないのか?とググるだけでいいはずです。

 また、消費税が上がった前回は景気にどのようなインパクトがあったのか?今回は大丈夫なのか?なども、ニュースサイトを検索すれば、そこそこ信用のおける学者などのコラムを読むことができるはずです。そうすれば、テレビでやっている増税前に・・・。などという報道を見れば怒りがわくはずです。また、「しかたない」という街中の人間のコメントの不自然さに気が付くはずです。

 どうにか、普通に文章を読解できる日本人が増えてほしいものです。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

AIに負けない子どもを育てる [ 新井 紀子 ]
価格:1728円(税込、送料無料) (2019/9/19時点)



〜サラディンによるイェルサレム再奪還〜 『十字軍物語(二)』(塩野七生)を読んで

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

十字軍物語 第二巻 イスラムの反撃 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]
価格:766円(税込、送料無料) (2019/9/12時点)




 へっぶしんです。 人間、さぼり始めるとどこまでもさぼってしまうものですね^^;

 更新が滞りすぎてしまって、放置ブログになってしまっています。さぼり始めたのが、義父の見舞いにプライベートの時間を大きく使うようになってからです。その義父も逝去して、仕事がそのまま繁忙期になりました。ようやく落ち着いて2週間弱で、ようやくブログを立ち上げています。

 5月から4か月もの間、一度ついてしまったさぼり癖から抜け出せずにいます。今日を機に、読んだ本について書き始められればいいのですが。。。積ん読ならぬ、ブログ待ちの本が山になっていて、この間も積んである場所が崩壊して、妻とむすめから冷たい視線を浴びました。

 さらに、本棚が満杯になってしまっていて、もう読むことはないであろう佐藤優氏の著書をチャリティーバザーに持って行ってもらいました。

 ・ ブログを書く
 ・本棚を整理する

 という「仕事」が、ものぐさな私に課せられていながら、放置し続けています^^;さて、前回に引き続き塩野七生氏の『十字軍物語(2)』です。日本史はある程度は通史が頭の中に入っているのですが、世界史は高校生以来、体系的な学習を行っていないので、忘却のかなたです。『ローマ人の物語』、『海の都の物語』、『ローマ亡き後の地中海世界』を読みましたが、ヨーロッパ史は、なかなか頭に入りません^^;



 作者は塩野七生氏です。


 塩野七生氏は、学習院大学文学部哲学科を卒業後にイタリアに遊学され、多数の著書を書かれています。全巻読破したいくらいなのですが、多すぎます^^;

 主な著書に
ルネサンスの女たち (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

海の都の物語(1) ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

ローマ人の物語(1) ローマは一日にして成らず 上 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

など多数あります。

[概要]

帯より

-----------------------------------------------
 中東の地に打ち建てられた「十字軍国家」。
 その儚い夢をイスラム世界の英雄が打ち砕く
-----------------------------------------------


  ゆっくりと味わいながら読みたかったのですが、1巻に引き続き、次の展開が気になって、一気に読んでしまいました。



 十字軍国家を打ち立てた第一次十字軍に従軍した世代の亡き後、キリスト教世界は徐々に人材不足に陥っていく。

 逆にイスラム世界では、ゼンギ、ムラディン、サラディンと英雄が立て続けに現れる。イスラム世界が統合され、イェルサレムをイスラム教世界が奪回するまでの物語です。

 塩野七生氏は、十字軍が中東に向かっていない時期に着目して、なぜ十字軍が少ない兵力にもかかわらず100年近くもイスラム国家からイェルサレムの地を守り続けられたのかを考察しています。

 ひとつにはこの時期に結成されたテンプル騎士団・聖ヨハネ騎士団の活動にあるとしています。騎士団に集まる寄付をもとに、イェルサレムの東側に防衛のための城塞を築いていき、防衛を可能にしたということです。

 さらには、キリスト教研究者が正面からは検証したがらない経済面でのイタリアの海洋国家の活動を挙げています。中世の地中海で、制海権を握っていたのは、イタリアの海洋国家であるジェノバ・ピサ・ヴェネツィアです。この海洋国家群が、イェルサレムが海から攻められることから守っていたと説明しています。ただ、著者は、これらの海洋国家を「中世のエコノミックアニマル」と表現しており、イスラム承認とも取引をする姿勢が、キリスト教世界からは嫌われていたようです。

 十字軍国家は、100年しかもたなかったのか、100年も続いたのか。著者の豊富な史料の読み込みから編まれる物語に、時間を忘れるほど没頭してしまいます。


 主に外交・戦争をテーマに書かれた物語ですが、塩野氏らしい経済面の記述もとても面白かったです。国家の存続をかけた人々の攻防と、それに口をはさむ女たちの姿が生き生きと描かれていました。また、度重なる大地震からイスラム世界を復興に導くヌラディンなどは、現代の政治家たちに見習ってほしいなと思っていました。

 事実は小説よりも奇なりという言葉もありますが、台風15号に対して現地入りすらしない首相かと思ったら、停電で46万人もの国民が苦しんでいるのも知らずに、「防災訓練」でそれと知らずに「現地入り」する首相に、「国家の存亡をかけた人々」の爪の垢を煎じて飲ませたいと思ってしまいました。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。



[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

十字軍物語 第二巻 イスラムの反撃 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]
価格:766円(税込、送料無料) (2019/9/12時点)





楽天市場
DMM.com
Profile

akkey08

使っています♪
実は使っています
ブログランキング
人気ブログランキング
くりっくをお願いします
ドメイン取得
〜訪問ありがとうございます〜
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

「最新トラックバック」は提供を終了しました。
ループイフダン
  • ライブドアブログ