へっぶしんのニュースや日記です。

 極右政党ばかりの選挙になってしまい気が滅入っていたところで、すこしほっとする動きがでた。ただし、小沢一郎の政治理念に対しては、私は懐疑的だ。15年前であれば、タカ派のイメージでどちらかというと右よりの政治家という理解だった。しかし、この小沢一郎が左寄りに見えてしまっているところに、現在の日本の政治の病的なまでの右急旋回の鮮やかな軌跡が見て取れる。それでも、脱原発、反TPP、反消費税など、日本の自滅への流れに楔を打つ内容の政策には期待せざるを得ない。消極的ではあるが、ここしかよりどころがないように思える。

 そんな微妙な朗報に対して、読売新聞のあわてぶりがおもしろい。よっぽど小沢新党(これが小沢新党であることは論を待たない)の動きを把握できていなかったのだろう。笑えるのでここに紹介しておく。

日本未来の党 「卒原発」には国政を託せない(11月29日付・読売社説)

 国力を衰退させる「脱原発」を政治目標に掲げる政党に、日本の未来を託せるだろうか。

 日本未来の党が、正式に発足した。代表に就任した嘉田由紀子滋賀県知事は「卒原発プログラム」を作成し、徐々に原発を減らして10年後をめどに原発ゼロにする意向を示した。

 「脱増税」「脱官僚」「品格ある外交」など抽象的な言葉ばかりを掲げている。経済や社会保障、安全保障といった重要なテーマでさえまだ政策がない政党だ。

 嘉田氏が「この指止まれ」と呼びかけたように見えるが、実態は国民の生活が第一の小沢一郎代表や、民主党を離党して新党を結成した山田正彦元農相らが根回しをして、合流を決めたものだ。

 空疎なスローガンと、生き残りのために右往左往する前衆院議員たちの姿には、政治家の劣化を痛感せざるを得ない。

 嘉田氏が掲げる「卒原発」は脱原発と大差はない。それだけでは願望に過ぎず、無責任である。

 電力の安定供給や代替エネルギー確保、経済・雇用対策、原子力の人材育成などについて現実的な計画を明確に示すべきだ。

 結党に際して発表した「びわこ宣言」には「原発事故の潜在的リスクが最も高いのは老朽化した多数の原発が集中立地する若狭湾に近い滋賀県」とある。電力供給の恩恵を受けておきながら、原発立地自治体への配慮が不十分だ。

 滋賀県の利害のために国政に進出するとの発想も改める必要がある。嘉田氏は知事と党首との兼務が可能かどうか悩んだという。政党運営の経験がないだけに、両立には困難が伴うに違いない。

 小沢氏が名称にもこだわった政党をあっさり捨てても、驚くには当たるまい。党首として前面に出たくなかったのだろう。その分、未来の党の公約原案には小沢氏の従来の主張が反映されている。

 日本維新の会と連携できず、民主党離党組の党だけでは選挙戦で埋没する。クリーンイメージの嘉田氏を「表の顔」に担ぎ出して巻き返そうと考えたようだ。相変わらずの小沢流である。

 「決められない政治」で既存政党に対する国民の不信感が高まる中、急ごしらえの新党の離合集散が目立っている。だが、新党は、国政を担う能力に疑問符が付き、政策も大衆迎合色が濃厚だ

 有権者はそのことを十分理解した上で、新党の真価を見極めることが重要である。

2012年11月29日01時32分  読売新聞)

 嘉田氏が掲げる「卒原発」は脱原発と大差はない。それだけでは願望に過ぎず、無責任である。

 読売新聞が掲げる原発推進は、いざ事故がおきたときの想定がされておらず、電力不足や電気料金への言及についても、夏場の電力不足を乗り切った実績の無視や事故リスクを無視した試算に基づいており、福島の事故をまったく反省していない。原発への安全性についての議論が不十分なままで、拙速に大飯原発を再稼動をしたことへの危険性がまったく考慮されておらず危険極まりない。

 滋賀県の利害のために国政に進出するとの発想も改める必要がある。嘉田氏は知事と党首との兼務が可能かどうか悩んだという。政党運営の経験がないだけに、両立には困難が伴うに違いない。

 大阪府の利害を装った国政への進出の発想も改める必要がある。橋下氏が大阪市長と党首の兼務に悩んだかどうかは定かではないが、市長の仕事を放り出して全国遊説に飛び回っている姿を見ると、無責任との叱責を免れ得ない。

 とは、書かないのである。

 「決められない政治」で既存政党に対する国民の不信感が高まる中、急ごしらえの新党の離合集散が目立っている。だが、新党は、国政を担う能力に疑問符が付き、政策も大衆迎合色が濃厚だ

 これは、日本維新の怪のことですよね。。。。

 有権者には、世界的な政策軸と日本の政策軸のズレを冷静に見極めた投票行動を期待したい。。。

いづれにしても、こんなささやかな期待しかできないところに、日本の政治の末期的な症状が見て取れる。

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