へっぶしんのニュースや日記

格差社会に疑問を感じながら日々を過ごしています。 まともに働いても給料が減り続けるので、副業で投資をして資産を築こうと株と投資信託、FXをしています。 趣味の読書とアイネット証券のループイフダンの日々の成績について書いていきます。

〜所得格差拡大を憂う〜 『上級国民/下級国民』(橘玲)を読んで

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 へっぶしんです。 仕事が繁忙期に突入し、暇なときに更新をさぼったツケがたまり続けています^^;

 せっかく読んだ本も、ブログになることがなく本棚に直行しているという残念な事態が続いています^^;

 ここからは、仕事が忙しくなりすぎるので、さらに更新頻度が落ちそうです^^;


 本体カバーうち側より、

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いったん「下級国民」に落ちてしまえば、
「下級国民」として老い、死んでいくしかない。
幸福な人生を手に入れられるのは「上級国民」だけだ――。
これが現代日本社会を生きる多くの人たちの本音だというのです。(まえがきより)
「下級国民」を待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという
”残酷な運命”。一方でそれらを独占する少数の「上級国民」たち。
ベストセラー「言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)」の著者があぶり出す、
世界レベルで急速に進行する分断の正体。
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 現在の日本社会では、格差が拡大しているにもかかわらず、人々の目には実態として格差が見えなくなっています。それは、中産階級から没落した人は、友人の集まりに恥ずかしくて顔を出せなかったり、リア充ではないのでSNSなどにも投稿しなかったりと、一般的な人がやっていることをしなくなるからです。また、本の中ではアメリカの実態に触れて、住む地域が違うという指摘もしています。

 ちなみ格差の拡大とは、高額所得者の増加と貧困層の増加による格差の拡大のほかに、中産階級の没落が挙げられます。ちょっとだけデータを見てみましょう。厚生労働省の国民生活基礎調査の5年ごとの世帯収入の平均値と中央値です。

1995年

1995
2000年
2000


2005年
2005


2010年
2010

2015年
2015

1995年から2015年までの五年ごとの世帯年収の変化は、

平均年収で、
664.7万円⇒626万円⇒580.4万円⇒541.9万円

中央値では、
545万円⇒506万円⇒462万円⇒427万円

と、日本の家庭の年収は順調に下がっていることが確認できます。これが中産階級の没落です。原因はひとつではありませんが、本の中で言われているのは、国内の製造業の没落と、サービス業への就労割合の増加です。製造業の没落については、産業の空洞化と呼ばれているもので、製造業大手の会社が向上を海外移転させたために、国内の生産が減ります。そうすると就業者が減り、就業機会がなくなった人たちが、生産性の低いサービス業へと流出します。生産性が低い業種は当然に給料も低いので、上記のように年収が右肩下がりになります。

 もうひとつ大きな原因として考えらるのは、少子高齢化の進行による年金生活者の増加です。

 ちなみに、1995年から2015年までの再貧困層とみられる世帯年収200万円以下の層の変化は、


13%⇒18%⇒18.7%⇒20%


と、順調に増えています。

 この変化は、日本だけでなく欧米の先進国でも同様に起きているようです。筆者が原因として挙げているのが、上記で説明した産業の空洞化に加え、知識社会になったために知能の高い人が富をひとりじめしていると指摘しています。しかし、世界全体でみると中間層が増えているということも指摘しています。


 いやな言い方をすれば、日本の中間層が多少没落して貧困層に落ちても、日本の約10倍の人口を擁する中国で中間層が増えていれば、世界的にはうまくいっているというということです。


 ここで、貧困層に陥る人はどのような人たちなのかというと、筆者の言葉を言い換えると


々場労働者のような定型的な生産に従事する人。(ルーティン・プロダクション(定型的生産)サービス)
⊂売店従業員、ホテルレストランなどの従業員などの1対1の対人サービスに従事する人。(インパースン(対人)サービス)
L簑蟆魴茲簗簑衄見、データ、言語、音声、映像表現などのシンボルを操作するようなクリエイティブな仕事
をする人。(シンボリック・アナリティック・サービス)


´△暴昌する人たちの収入はグローバル化にさらされて下がり続け、に従事する人たちの収入は上がっているようです。日本では、ポスドクなどと呼ばれる高学歴のワーキングプアで苦しんでいる人たちもいますが、それはデータから外れた一部の人たちだということでしょうか。疑問も持つと先に進まないので、指摘だけしておきます。


 要するに、知識化社会においては、クリエイティブな仕事に従事できないと没落する危険性がとても高いということです。さらには、別の本で繰り返し指摘されていますが、日本ではどう頑張っても学歴社会であり、大学・大学院卒の高学歴な人たちはどちらかというとクリエイティブな仕事に就き、ルーチンワークや一冊のマニュアルで仕事ができてしまうような定型的な仕事の給料は下がり続けているようです。


 自分のこれからのことや、こどものことを考えると、どんどん恐ろしい社会に向かっているように思えて、だれかこの格差社会化の流れを止めるメカニズムを転換させるような仕組みを考えてくれないのかと、祈るような気持ちになってしまいます。


 別の記事で、何度か個人的な望みを書いていますが、サラリーマンとしての仕事に疲れ、アーリーリタイアをしたいと夢想しています。しかし、むすめの私立の学費が高く、学費実質無料化の恩恵にあずかることができずに、行政から見捨てられて、税金や社会保険料を搾り取るだけ搾り取られるぼろ雑巾のような階層にいる気がして仕方がありません。たいしてもらっているわけではない給与明細を見ると、げんなりとしてしまいます。手取り20万円って何だと、悲しくなる月もあります。

 自分が、グローバルな社会の中で戦う自信も全くありません。ただただ平穏に暮らしたいだけなのですが、周囲の状況が平穏な生活を送ることを許していないように感じます。

 上記の厚生労働省の国民生活基礎調査には、子育て世代の収入額も結果にありますが、自分が育った家庭の収入と現在の自分の収入を比較して、暗い気持ちになってしまいます。
 なんとか、未来が明るくなって、ほどほどに働いて、そこそこの余暇を過ごせるような社会になってくれるように祈るばかりです。


 著者は、橘玲氏です。 1959年生まれ。作家。国際金融小説『マネーロンダリング (幻冬舎文庫)』『タックスヘイヴン (幻冬舎文庫)』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方新版 知的人生設計のすすめ (幻冬舎文庫)』『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』など金融・人生設計に関する著作も多数。

 『言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)』で2017新書大賞受賞。近著に『もっと言ってはいけない (新潮新書)』『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』『人生は攻略できる』など。

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〜学歴と「家柄」は相関関係にある〜 『教育格差』(松岡亮二)を読んで

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 へっぶしんです。 久しぶりに、教育と格差に戻ります^^;そして内容は、子どもの学力格差は親の学歴と投函関係にあるという「現実」をデータで示し、そのための解決策の提言です。

 子どもは生まれたときから、有利不利を背負っているというのは、とても重たい事実ですね。しかし歴史上で、格差が存在しない時代はありません(縄文時代以前なら違うかもしれませんが^^;)。その上で、格差はあるものだという諦観の上に生きていくのか。子どもの無限大の可能性をつぶさないためにも、できる限り「機会の平等」を確保できるような制度設計を目指すのか。

 個人の考えではどうにもなりませんが、世界を、日本をあきらめたくないですね^^;


 いつものように、帯の裏側より、

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就学前、小学校、中学校、高校、国際比較……
気鋭の社会学者が豊富なデータを基に描き出した
「緩やかな身分社会」
この国の実態。
・小学校入学前にすでに学力格差が生じている。
・公立の中学校同士でもおおきな「環境」格差がある。
・親が大卒か否かで、就学前〜高校までの格差が拡大。
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 ま、本を売るための宣伝文句なので衝撃的ではありますが、間違いなく本の内容をコンパクトに表現しています。

 子どもに学力格差が生じる背景に、親の学歴、生まれた地域があるということをデータで検証しています。以前に書いた「AI vs.教科書が読めない子どもたち [ 新井 紀子 ]」「AIに負けない子どもを育てる [ 新井 紀子 ]」では、読解力が学力を左右するという子どもを個別に見る視点での学力差でしたが、今回は子どもの出自により学歴が変わるという内容です。組み合わせると、学歴が高い親に生まれた子どもは読解力が高いということになりますが、研究者の方に検証していただきたいですね^^;

 今回の本の内容に戻ります。両親の学歴を、両親大卒、片方の親が大卒、その他に分けています。学歴が高い親は、幼少期から子どもに対して「意図的養育」をします。簡単に言えば、早寝早起きを習慣づける、朝食を抜かない、テレビの時間を制限する、食事の時はテレビをつけない、などのしつけです。逆に、その他の親は、子どもは自然に育つという意識から、「放任的養育」をするために子どもの学力が伸びないという知見を紹介されています。

 また、「意図的養育」をする親は、叱るときにはダメな理由を子どもに説明するそうです。それに対して、「放任的養育」をしている親は、理由を言わずに一括する傾向にあるとのことです。さらに、「意図的養育」をする親は、子育てをするための情報を積極的に集めながら試行錯誤で子どもを育てますが、「放任的養育」をする親は、自己の経験に基づいた子育て・しつけをするとのことです。何度か、どこかで書いていると思うのですが、本の読み聞かせを積極的にするのも、「意図的養育」をする親だということです。

 このように幼少期にすでに家庭の子育ての方針で、小学校入学以前に「落ち着いて話を聞く」、「ひとつのことに集中すること」、「がまんすること」などの指標で、統計的に優位な差が出るようです。

 この差は、小学校・中学校と引き継がれます。そして、高校になると、高校入試という選別を経て、学校間での勉強への意識の差につながり、学力差が決定的になるというのが著者の説明です。この学力格差を背負って、子どもたちは学歴社会へ投げ出されます。ただし学歴社会自体は、日本特有の現象ではなく、どこの国にもある、ある意味普遍的な状態だとのことです。

 最後に著者は、この社会の状態を何もしないで受け入れるべきなのか、少しでもいいので現状を変えるためのアクションをすべきなのかと問いかけ、もちろん後者を呼びかけます。


 ここからは、自信を振り返るしかないのですが、私は両親が高卒の家に生まれています。ただし世帯年収は、この本での両親大卒を上回っていました。そして、公立の小中学校から高校受験をする前提で書かれている今回の本の進路とは違う、中学受験を経て大学へ進学しました。中学受験では、ひとまず成功した部類に入る偏差値の学校でした。本の中で、小学4年生、中学1年生の大学に進学するかという意識調査がありましたが、私は小学校6年生の時に大学進学を明確に意識し、中学入学時には、大学進学が既定路線になりました。そういった意味では、両親が高卒ではありますが、その他の条件に恵まれていたのでしょう。本の中では、両親の学歴をSESという言葉に置き換えています。SESとは、簡単に言えば、親の経済的・社会的・文化的な資本のことです。本の中では、文化的資本の代表的な指標である家庭の蔵書を頻繁に用いています。これに限れば、生まれ育った家の蔵書は、1000冊くらいあり、床に本が落ちているのが普通の状態でした^^;家を出て、家庭を持った現在の住まいにも200〜300冊くらいの本があり、ブログになっていない本がリビングに積まれていて、家族のひんしゅくを買っています^^;そのためなのか、両親が高学歴でないむすめも、中学受験をして最上位校に進学しています。苦手な英語だけ塾に通っていますが、この間の模試の偏差値は、国語が64でした。塾で学習していない数学も偏差値60あり、まずまずの成績です。年収だけは、指標に使われている中央値ですが^^;

 そして、ありきたりになってしまいますが、地域的・社会的にはどうかと言えば、本の中には登場しませんでしたが、社会的資本の中に入るであろう人的資本という点では、私よりも年収の多い友達ばかりで、日々へこんでいます。年収が低いと言っても、以前にどこかで書きましたが、厚生労働省の出している国民生活基礎調査での世帯年収をみると、中央値付近の収入での暮らしが想像できません。子どもの学費だけで毎月5万取られており、300万〜400万の収入では、我が家の家計は破綻してしまいます^^;それにもかかわらず、周りを見渡すと劣等感を覚えるという人たちに囲まれています。そういう意味では、私個人も経済的・社会的・文化的資本に恵まれ、子どもにも有利な条件を与えているということになります。

 日本の社会が、思ったよりも貧しいのだなと、個人所得などを見て思ってしまいます。個人的には、すべての人が(私自身も含めて)、経済的に困ることのないくらしができる社会になってほしいなと願っています。もちろん、格差が縮小していく社会を望んでいます。


 著者は、松岡 亮二氏です。

 ハワイ州立大学マノア校教育学部博士課程教育政策学専攻修了。博士(教育学)。東北大学大学院COEフェロー(研究員)、統計数理研究所特任研究員、早稲田大学助教を経て、現在同大学准教授。国内外の学術誌に20編の査読付き論文を発表。日本教育社会学会・国際活動奨励賞(2015年度)、早稲田大学ティーチングアワード(2015年度春学期)、東京大学社会科学研究所附属社会調査データアーカイブ研究センター優秀論文賞(2018年度)を受賞。

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〜資産の築き方を考える〜 『金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ)を読んで





 へっぶしんです。 昨日(10/12)から今日(10/13)の台風は、史上最大というだけあって大きな被害が出ましたね。数々の川が氾濫している映像を見て、心が傷みました。被災者の方には、心よりお見舞いを申し上げ、復興することをお祈り申し上げます。

 特に、母の生地の長野市の千曲川の氾濫には、知っている土地のため驚きと悲しみで故郷が失われるような感覚に陥りました。重ねて、被災地にお住まいの方の心と生活の復興をお祈り申し上げます。

 さて、こんな時期ではありますが、今回は『金持ち父さん貧乏父さん改訂版 アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 [ ロバート・T.キヨサキ ]』です。

 金持ち父さんの教えはお金のために働くのではなく、お金を働かせなさいと言うものでした。私もアーリーリタイアのために投資をしていますが、父さんの教え通りにうまくは行っていません^^;ただ、金持ちになるためのマインドセットは理解できました。その通りにできるかどうかは、結局わたくし次第ですね^^;


 この本が出版されたときに、大きな話題になっていたような記憶はあるのですが、初版が2013年になっています。帯には「2000年から読まれてきた」と書かれているので、世に出たのは約20年前のようです。そして、なんとなく本の内容に記憶があるので、以前に読んだことがあったのかもしれません。


 内容としては、


  ・中流以下の人はお金のために働く


  ・金持ちは自分のためにお金を働かせる


 ということが、豊富な具体例とともに書かれています。


 しかし著者は、サラリーマンの経験もあり、会社勤めであっても強い目的意識があれば、金持ちなれると説いています。


 個人的には自分の経験も踏まえて、うなずける部分とちょっと・・・という部分が混在しています。ただ、学校は「お金のために働く方法を学ぶところ」という主張には大きく賛同できます。


 中学校では、生徒会長が創造的なことを言うと、指導教員から嫌われるという話を聞きます。中学校での優等生は、指導教員の意向をくんで、自分の考えを抑えながら過ごすことになります。それでは、創造性にあふれる生徒は育ちませんよね。部活もほどほどならよいと思いますが、朝練をして、放課後も練習をしていると、生徒が自由に使える時間が極端に減ります。勉強をしたい子もいれば、運動部でも音楽の習い事をしたい子もいるでしょう。趣味で絵を描くのが好きな子もいるかもしれません。しかし、朝と放課後に練習があり、宿題も課されれば、生徒が自由に使える時間はほとんどないでしょう。やはり、創造的な人間を育てる芽を摘むような教育と言わざるを得ないのではないでしょうか。


 次に、著者はセールスの方法を学ぶことはよいことだといっており、セールスマンを育てるプログラムを持つ会社に一度は行ってみるはいいことだと言っています。また、筆者自身もそうだったようですが、リーダーシップを学ぶために海軍に入隊したと言っています。営業会社にしても、海軍にしてもブラック企業ではないでしょうか。強い目的意識が必要だと筆者は言っていますが、この部分に関しては、疑問を感じてしまします。確かに、断られる恐怖を克服するということの重要性は理解できましたが、私が知っているセールスマンを育てるプログラムと筆者の言っているプログラムが、全く別のことであることを祈ります。


 最後に、資産を築くためには投資が大切だと説いています。これには大きく同意します。さらに筆者は突っ込んで、不動産、個別株、債券、オプション取引などを勧めています。ハイリスクハイリターンな投資をよく理解して、リスクを減らして投資すべきというのが筆者の主張です。そのモデルケースとして単純化したやり方についても、書かれています。


 興味がある方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。


 筆者は、時代が大きく変わっている時代だからこそ、個人資産のバランスシートを意識することが大切だと説いてます。この部分には、大きく同意できます。さらに踏み込んで、持ち家を買うことは負債を背負い込むことだということにも同意できました。以前に家を買おうと思い、ローンの返済額を趣味レーションしていて、ばかばかしくなってやめました。私がローンを計算していた時は、借入金利が3%くらいでしたが、35年ローンの複利計算をしてみたら、返済額が借りた金額の1.5倍になっていました。そして、金利が5%になると返済不能になる金額でした。この経験から、住宅ローンを背負い込むことは、負債を抱え込むことと同じことだという考え方は理解できました。また筆者は不動産取引をベースにして、大きな資産を築いたようです。

 すごい人だなと思うことと、簡単ではなかったと書いてありましたが、私に同じことができるかと考えると、難しいなと感じました。本に書かれていない部分での、大変だったところで破綻しそうな気がしました。
 この本からは、投資を続けることの重要性と、お金に関するリテラシーの大切さを学びました。同時に、筆者は、雇用を作れる人を育てたいという熱意で本を書いているようですが、リスクに関してきちんと説明をしないと、道を誤る若者が出てくるのではないかと危惧を覚えました。

 起業で成功する確率は、とても低いです。リスクの大きさと、そのリスクを乗り越えるための方法をきちんと書く必要があるのではないでしょうか。その答えようようなことは書いてありましたが、私には十分なもののようには思えませんでした。

 ただ、賛否両論が巻き起こるというところについては、世間に問題提起をする良書だとも思います。特に、教育についてはうなずける部分が多いなと感じました。


 著者は、ロバート・キヨサキ氏です。


 プロフィールがはっきりとは分からないのですが、海兵学校を出ているようです。


 現職は、起業家・教育者・投資家しか書いてありません。本の内容からもうなずけるプロフィールで、何を学ぶのかは、学んだ学校で決まるものではないと、いいそうですね^^;



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〜聖地回復と「聖人」〜 『十字軍物語(四)』(塩野七生)を読んで

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十字軍物語 第四巻 十字軍の黄昏 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]
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 へっぶしんです。

 何とか、最近読み終わった本だけでも、ブログにしていきたいと自分に願いながら休日を過ごしています^^;

 そして色々あって、日曜日がつぶれそうなので、休みが週1日になりそうです^^;

 今回は、『十字軍物語 第三巻 獅子心王リチャード (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]』の続編で、十字文物語の最終巻です。1095年のクレルモン公会議でローマ法王ウルバン2世の呼びかけで始まった十字軍ですが、1270年のルイ9世の第8回十字軍で終わりを迎えます。

 十字軍とは何だったのか、何がもたらされ、何を失ったのか。日本で言えば平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての時代に、ヨーロッパ・中近東で起こっていたことの物語です。



 作者は塩野七生氏です。


 塩野七生氏は、学習院大学文学部哲学科を卒業後にイタリアに遊学され、多数の著書を書かれています。全巻読破したいくらいなのですが、多すぎます^^;

 主な著書に
ルネサンスの女たち (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

海の都の物語(1) ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

ローマ人の物語(1) ローマは一日にして成らず 上 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

など多数あります。

[概要]

帯より

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 惨澹たる終戦
 
 最後に何が残ったのか

 王たちが夢見た「十字軍国家」は中途の地図から消えてしまうのだが・・・・・・
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  歴史の物語は、一気に読んでしまいますね^^;

 塩野氏の筆力に翻弄されてしまいます^^;



 歴史の物語を読んでいると、100年・200年という時間があっという間に過ぎてしまいますね。実際には、書かれていることよりもこまごまとしたことがあって、2、3日で読み終わるような単純な出来事ではないのですが、それでもストーリーがしっかりしていると、まるで目の前で起こっている出来事のように感じながら読み進めてしまうから不思議なものです。


 今回は、ほとんどがローマ法王庁への批判に近いストーリー仕立てになっています。ベースには、膨大な史料を読み込んだ塩野氏の豊富な学識があります。それに基づいて書きだされているので、史実通りの出来事に塩野氏の想像が加えられたストーリーになっています。


 第4巻は、ローマ教皇に嫌われた神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世の第6次十字軍から始まります。アラブ人が多く住むシチリアで生まれ育ち、アラビア語をも使うことのできる異色の神聖ローマ帝国皇帝は、第6次十字軍(1228-1229)において、交渉による講和という方法を用いて、無血でイェルサレムを回復します。しかしイェルサレムの奪還は、「キリスト教徒血を流して成し遂げるもの」だと考えているローマ教皇庁には、この業績が無視されます。逆に「不信仰の徒と交渉」したことで、評価を下げることになります。


 一方で、1248年から始まる第7次十字軍、1270年の第8次十字軍を率いたフランス王のルイ9世は、「聖人」に列せられます。第7次・第8次十字軍の業績が大きなものだったかどうかというと、第7次では、十字軍が丸ごと捕虜になるという屈辱的な結果に終わります。この影響で、キリスト教の軍隊に対するイスラム国家のイメージが大きく損なわれます。さらに、この時に活躍したマメルーク(マムルーク?)という元奴隷のイスラム兵士へのイメージが、イスラム世界の中でよくなります。それによって、エジプトでマムルーク朝が成立します。さらに第8次十字軍では、上陸して戦闘準備をしている最中に疫病が発生し、現地でルイ9世が亡くなり、空中分解のような形で十字軍が終了します。


 聖地を(軍隊という圧力はかけつつではありますが)平和裏に、イェルサレムの回復に成功した神聖ローマ皇帝のフリートリヒ2世は、破門を解かれるどころか、評価を下げました。


 逆に何の戦果もなく、逆にイェルサレムの地でキリスト教の権威を下げ、中近東にキリスト教徒の足場を失うという「成果」を出し、自らが中東の地で露と消えたルイ9世は聖人に列せられます。


 中世とはいえ、「人は見たい現実しか見ない」ものなのでしょうか。


 第4巻は、特に現代の日本に生きる私たちへ多くの問題を提起しているように思えます。


 人は誰かから認められたいという認知欲求によって社会性を身につけていくものだと思います。しかし、「人から認められる」、「人から評価される」ために、ただ人気を集めればよいのでしょうか。上司から気に入られるために仕事をすればよいのでしょうか。教師の前でいい子にしていればいいのでしょうか。


 中世において、戦争とその戦果を冷静に分析できるエリートは、ほとんどいなかったようです。本当に一部のリーダー層だけが、冷静に情勢を分析することができたようです。


 民主主義の時代になった現代はどうでしょうか。リーダーの政策の「成果」を、冷静に分析できる国民がどれだけいるのでしょうか。私自身はニュースを見るたびに、いやな気分になります。ただ、私はただの一般人で、学識も知識もたかが知れています。私は私の現在、将来のくらしを想像したときに、政府の政策が自分にとってプラスかマイナスかという軸でしか、政府の政策を判断しません。


 憲法の三大原則のひとつに国民主権があり、基本的人権があるという点において、現代の国民国家の視点としては、それでいいのではないでしょうか。もちろん、ニュースの中で、貿易政策では自由貿易から保護貿易への流れというものも感じています。これは、保護貿易が行き過ぎれば、第2次世界大戦を引き起こす結果になったブロック経済になる危険性をはらんでいます。しかし自由貿易政策を進めて、全世界の貿易が関税なしの「フラット」な状態になったら、完全なる弱肉強食経済が完成して今います。これは、産業革命が始まった初期のイギリスの経済状態に戻ることを意味します。


 ニュースを見るときに、このように歴史と関連付けながら、どうなったら自分が住みやすい未来に近づくのかと考えています。


 さて、今の日本はどこに向かっているのでしょうね。。。


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〜深刻な地方の衰退の処方箋を考える〜 『地域再生の失敗学』(飯田康之)を読んで

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 へっぶしんです。

 日曜の午後に、ラグビーのオールブラックスの試合を見ながらブログを書いています。日曜日には珍しく、外食ではなく家で昼食を摂りました^^;そのために、カフェに行くこともなく一歩も外に出ない日曜日を過ごしています。寂しすぎる休日ですねw

 今回も日本の地方の衰退に関する本です。『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか 小さな街の輝くクオリティ [ 高松 平藏 ]』『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) [ 増田寛也 ]』と3冊連続で地歩都市について読んでいます。本当に色々と考えさせられますね。


 共著の本で、著者がたくさんいます。


 飯田康之氏
  1975年、東京生まれ、東京大学経済学部卒業後、東京大学経済学研究科博士課程単位取得退学をされています。駒澤大学経済学部准教授、財務省財務総合政策研究所上席客員研究員を経て、現在、明治大学政治経済学部准教授、内閣府規制改革推進会議委員、株式会社シノドス マネ−ジングディレクターなどを兼任されています。専門は日本経済・ビジネスエコノミクス・経済政策・マクロ経済学です。

 主な著書に、
 ・考える技術としての統計学 生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス) [ 飯田泰之 ]
 ・マクロ経済学の核心 [ 飯田泰之 ] ・経済学講義 (ちくま新書) [ 飯田 泰之 ]
 ・日本史に学ぶマネーの論理 [ 飯田 泰之 ]
 などがあります。

 木下斉氏
  1982年生まれです。早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業され、一橋大学大学院商学研究科修士課程を修了された、経営学修士の方です。一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスの代表理事をされています。内閣官房地域活性化伝道師、熊本城東マネジメント株式会社代表取締役、一般社団法人公民連携事業機構理事をされています。専門は、経営を軸に置いた中心市街活性化、社会企業などです。

 主な著書に、『稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書) [ 木下斉 ]』があります。 

 川崎一泰氏
  1969年生まれです。法政大学経済学部を卒業された後、法政大学大学院を満了された経済学博士です。東海大学政治経済学部准教授、日本経済研究センター研究員、国立国会図書館調査員(非常勤)、ジョージメイソン大学訪問研究員などを経て、2013年より東洋大学経済学部の教授をされています。

 入山章栄氏
  1972年生まれです。慶應義塾大学経済学部を卒業された後、三菱総合研究所での調査・コンサルティング業務に従事された後に渡米し、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号を取得されています。そこから、米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールの助教授に就任され、2013年より早稲田大学ビジネススクールの准教授をされています。専門は、経営学です。

 主な著書に、『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学 [ 入山章栄 ]』があります。

 林直樹氏
  1972年、広島生まれです。京都大学大学院農学研究科博士後期課程を修了され、能楽博士です。現在は東京大学農学生命研究科・特任助教をされています。編著に『撤退の農村計画 過疎地域からはじまる戦略的再編 [ 林 直樹 ]』があります。

 熊谷俊人氏
  1978年、神戸市で生まれています。現職の千葉市長をされています。早稲田大学を卒業された後、NTTコミュニケーションズに入社され、07年に千葉市長選挙に当選され13年に再選されて、現在は二期目です。


 前回の地方消滅に続き、国家政策としての地域再生の失敗を検証しながら、地域活性化を考えるという内容です。地方に住む人たちが、リトル東京を目指してしまったために、だったら東京に出た方がいいと若者が都会に出る理由を分析しています。また、政府の地域活性化策が、ハコモンを作る公共事業に終始して、地方都市に安定した雇用創出の仕組みを作ってこなかったと批判しています。

 帯の表より、
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気鋭の経済学者が、一線級の研究者、事業家、政治家たちと徹底議論し、今本当に必要な「正しい考え方」を示す
・「活性化か消滅か」ではない選択肢を
・ゆるキャラとB級グルメは無駄
・ここにしかない魅力を徹底的に磨け!
・「人口減」前提のプランを立てよ
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 日々の報道を見ていると、未だに人口増加を前提にした考えに基づかれて運用されている制度を、改めようともせずに、借金を増やし続けているように思います。道路計画なども、人口が減少に伴って、当然に生産年齢人口も減少するなかで、拡張ばかりしているように見えます。生産人口が減少するということは、GDPも落ち込んでいくわけで、政府は減収になっていきます。ただでさえ、税収の3割もの金額が借金の返済である国債費に回されているのに、さらに借金を増やし続けています。人口減少社会に向けて、地方都市は生き残りをかけた「人口減少前提のプラン」を建てなければならないし、国は、税収減を前提にした持続可能なプランの策定が必要です。

 そのなかで、日本の地方には文化的なオンリーワンがかなりあるはずです。それをリトル東京を目指したまちづくりを続けていては、東京や名古屋、大阪、福岡などの地方中枢都市の大都市への人口流出は止まるはずがありませんよね。その地域にしかないオンリーワンを再発見して、守っていくという考え方が、地方を守ることになるでしょう。逆に、リトル東京を目指すという思考から抜け出せなければ、30年後には人口が半分になってしまいます。国の政策を立案できるリーダーや、地方の有力者の方々は、危機感を持った地方創生の政策の実施が急務です。



 地方で暮らしたことのない私にとっては、都会へのあこがれというものが理解できません。しかし若者が都会に出る理由は、単なるあこがれだけではないでしょう。統計などを見ても、地方の魅力はあまりなさそうです。


 今回の本に書いてあるように、人がリピートして訪れたくなる、住みたくなるような、その地域オンリーワンに気づき、魅力ある地方を作ってほしいものです。

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〜少子高齢化は地方から都市部に波及する/待ったなしの少子高齢化対策〜 『地方消滅』(増田寛也)を読んで






 へっぶしんです。

 本日も1日を無駄に過ごしているなと^^;アフィをやったり、カフェで読書をしたりと、もっと楽しいことをできないのかなと、最近人付き合いが職場か家族に限定されていることに若干ですが、危機を感じています^^;

 さて、今回の本は『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書 [ 西岡 壱誠 ]』で紹介されていた本です^^

 前回の『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか 小さな街の輝くクオリティ [ 高松 平藏 ]』も、『東大読書』に紹介されていたのですが、今回は日本の人口問題について書かれています。

 人口問題として少子高齢化の問題が取りざたされて久しいですが、何も解決していないどころか、日本の国として危機的な状況にあるということがわかり、自分に何ができるのかを考えざるを得ないなと、ひとりで深刻になっています。

 人口問題自体は、年金の問題などもからめて、私が小学生のころから問題として社会科の授業で取り扱ってきたはずなのですが、何をしていたのでしょうね。。。

 現在の政治を見ていても、ほとんど危機感を感じません。人口減少社会のなかで、東京に住んでいると実感できないことが、地方では深刻な問題になっています。




 著者は増田寛也氏です。

 
   1951(昭和26)年東京生まれ、77年、東京大学法学部卒業、同年、建設省入省、95年より2007年まで3期にわたり岩手県知事、2007年より08年まで総務大臣を務める。2009年より、野村総合研究所顧問、東京大学公共政策大学院客員教授、2011年より日本創生会議座長。 

著書には、
『地域主権の近未来図』(朝日新書 2010)
「東北」共同体からの再生 東日本大震災と日本の未来 [ 川勝平太 ]
地方消滅(創生戦略篇) (中公新書) [ 増田寛也 ]
東京消滅 介護破綻と地方移住 (中公新書) [ 増田寛也 ]
が、あります。


 2019年時点で、1741の地方自治体があります。この本が書かれた2013年時点でも、1742の地方自体がありました。その自治体のうちの896もの市町村が消滅の危機に瀕していると警鐘を鳴らしています。

 まずは、私が大好きな本の帯の裏側です。

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 このままでは896の自治体が消滅しかねない--。減少を続ける若年女性人口の予測から導き出された衝撃のデータである。若者が子育て環境の悪い東京圏へ移動し続けた結果、日本は人口減少社会に突入した。多くの地方では、すでに高齢者すら減り始め、大都市では高齢者が激増してゆく。豊富なデータをもとに日本の未来図を描き出し、地方に人々がとどまり、希望どおりに子供を持てる社会へ変わるための戦略を考える。

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 筆者は、最初に人口の「再生産力」に着目します。生まれる子どもの95%は20〜39歳の女性の出産によるので、この若年女性の人口減少に注目します。子どもの出産を担う若年女性が減少すれば、人口が増えるはずはありません。これに「人口移動」の統計を加えて、若年女性がどれくらい減少するかのデータを出します。この推計で2010年から2040年までの間に「20〜39歳の女性人口」が五割以下に減少する市区町村数を、消滅可能性都市としています。これが冒頭にも書いた自治体の1742(2013年時点)のうち896もあるという衝撃の推計です。

 東京に住んでいるとほとんど実感できない少子高齢化、人口減ですが、地方ではすでに人口減少が始まっており、深刻な状況になっています。それにもかかわらず若者は、出生率の低い東京圏に吸い寄せられています。

 個人的な経験、感覚では、東京が子育てに適さないというのは大変いうなずけます。私自身も、以前に書いたかもしれませんが、子どもは3人くらいほしかったのですが、1人目が産まれて子育てをしているときに、託児所の料金が高すぎて2人目をあきらめました。当時は、保育所の民営化が進んでいる時期でした。公立の保育園に預けると月に1万8000円だった料金が、無認可の保育所では6万円かかりました。公立の保育所なら3人でも5万8000円で預けられますが、公立の保育所ひとりに無認可の保育所2人を預けると、1か月の保育所料金だけで13万2000円もかかります。当時の目先の家計の計算だけでも、2人目は無理でした。これは、その後には待機児童問題が報道されましたが、一向に問題が解決されていませんね。本にも取り上げられていますが、東京の出生率は全国で最低レベルです。私はたまたま家庭を持つことができましたが、2人目の子どもを作れなどころではなく、自分ひとりが生活すらままならない人が多いのではないでしょうか。以前に何度も出しましたが、厚生労働省の国民生活基礎調査では、世帯の年収の中央値が400万円台です。私の感覚では、子どもをひとり育てるのにも圧倒的に足りない年収です。人口問題の解決には、社会構造を変えていかなければ無理だと感じています。

 本に戻りますが、そんな子育てに向かない環境の東京に若者が吸い寄せられるのは、そもそも地方に若者を雇用するだけの受け皿がないことが挙げられています。いままでも政治の力で、大都市圏と地方の格差を縮めようとしてきましたが、ことごとく失敗しているようです。有名なところでは、池田勇人首相の所得倍増計画で太平洋ベルト構想があり、田中角栄首相の日本列島改造論などがあります。しかし大都市の所得を地方に移転させて、地方の活性化を達成するという結果は得られていません。現在はますます格差が広がっているのではないでしょうか。厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ると、都道府県別ではトップの東京で年収380.4万円、最下位の宮崎県で年収235.1万円と約140万円も差があります。これでは、若者が地方にとどまって家庭を築く可能性は低いですよね。

 本の中では、国家の政策としてできることを提言しています。 どの提言も、地方の強みを活かして、競争力のある都市作りのための処方箋です。

  ・ベッドタウン型
    これは、近くに強い都市があることが前提なので、個人的には違う魅力を模索してほしいなと。。。

  ・産業誘致型
    従来の大企業の工場誘致では、今までの失敗を繰り返すだけになるでしょう。製造業で重要なのは、原料の調達に有利なことという条件が重要です。日本には天然資源が多いわけではありませんが、地域の特色ある原料はゼロではないはずです。その地域が、他の地域と競争できるだけの資源を有している、まさに地の利のある業種の誘致であれば成功するのではないでしょうか。だた、儲かっている大企業ではなく、地場に定着する可能性の高い業種の誘致を考える必要があります。

 ・学園都市型
    茨城県のつくば市が最も有名だとは思いますが、これに産学連携が協力に結びつくと効果を発揮しそうですね。

 ・コンパクトシティ型
    従来の都市機能を中心部に集約して、都市機能を集積してその地ならでは魅力を発信するものです。前回取り上げた、ドイツの地方都市は、この型が多いように思えます。

 ・公共財主導型
    個人的には、ほとんどの地方都市がこの型に依存しようとして失敗しているのではないかと考えています。本の中で取り上げられているのは、関西国際空港がある市です。埋め立てのしやすい海岸沿いで、大都市に近いという立地上の有利以外に成功の要素がないので、多くの都市が見習えるものではなさそうです。

 有権者が一体となって、人口減少に歯止めをかけないと、20年後には日本の人口は1億人を割りそうなところまで減少してしまうようです。



 現在の政権は、アメリカからポンコツ戦闘機の爆買い、安全性がよくわからないトウモロコシの爆買いなど、人口問題・少子化対策などに全く興味がないようです。つまりは、日本の将来に興味をもっていない政党を、有権者が支持しているという、民主主義社会にあって意味不明の投票行動を続けています。

 人口減少が決定的になった現在の日本で、自らの生活を維持するためにも、現在の社会問題に対して興味を持つ人が少しでも増えてくれることを願うばかりです。そのためにも、人柄が信頼できそうなどという根拠不明の支持をせずに、ニュースで報道されている内容がどのような意味を持つのかを考えることが大切です。政治の話は難しそうという腰を引いた姿勢を直す有権者が増えてほしいものです。

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〜自分の思考はわりと不自由だということを知る〜 『寝ながら学べる構造主義』(内田樹)を読んで

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 へっぶしんです。

 本日は仕事が休みなのですが、家でうだうだしていて、あまりにもお腹がすいたのでランチのために街に出たのが13:30でした。どれだけ時間を無駄に過ごしているのかと愕然となってしまいました^^;


 今回の本では、ちょっとした発見がありました。難解な本に挑戦するのが好きで、その分、文章が難しすぎて挫折することがままあります。この分の意味が分かる人ってすごいなと思っていたのですが、難文は学者が読んでも難文だということがわかりました^^;


 わからないものは、わからないんだなと^^;



 著者は内田樹氏です。

 
  1950年に東京で生まれ、東京大学文学部仏文科を卒業され、東京都立大学大学院博士課程を中退されています。2011年の3月に神戸女学院大学大学院文学研究科公寿を退職されています。現在は神戸女学院大学の名誉教授でいらっしゃいます。専門はフランス現代思想、映画記号論、武道論です。2007年に『私家版・ユダヤ文化論 (文春新書)』で第6回小林秀雄賞を受賞されています。さらに、『日本辺境論 (新潮新書)』で新書大賞2010を受賞、他の著作に『ためらいの倫理学 戦争・性・物語 (角川文庫)』、『「おじさん」的思考 (角川文庫)』、『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち (講談社文庫)』、『街場のメディア論 (光文社新書)』、『レヴィナスと愛の現象学 (文春文庫)』、『他者と死者 ラカンによるレヴィナス (文春文庫)』などがあります。



 P.167「構造主義者の書く文章は読みやすいとは言えません。特にラカンは、正直に言って、何を言っているのかまったく理解できない箇所を大量に含んでいます。」


 この記述にとても驚きました。難解な文章であっても、学者は理解していると思っていた先入観を見事に破壊してくれました^^


 P.169「まだ動き回ることができず、栄養摂取も他人に依存している幼児的=ことばを語らない段階にいる子どもは、おのれの鏡像を喜悦とともに引き受ける。それゆえ、この現象は、私たちの目には、範例的なしかたで、象徴作用の原型を示しているもののように見えるのである。というのは、<私>はこのとき、その始原的な型の中にいわば身を投じるわけだが、それは他者との同一化の弁証法を通じて<私>が自己を対象化することにも、言語の習得によって<私>が普遍的なものを介して主体としての<私>の機能を回復することにも先行しているからである。」」


 この次に来る文が、P.170「この難文をとにかく意味の分かる日本語に書き直しましょう。」です。術語(テクニカルターム)が含まれていて、「象徴作用の原型」とか、一般の人間(もちろん私を含みます)が知るはずもない単語・表現が大量に含まれると、意味が分からなくなりますよね^^;このような文に接したときに、自分の知識不足や読解力不足によって読めないのだと、今までは自分の無知にがっかりしていました。しかし、気を落す必要がないのだと、著者に勇気づけられました^^


 構造主義自体は、帯に書いてあるように著者が分かりやすく説明をされているので、大体はどのようなものなのかがわかりました。ただ、新井紀子氏の読解力関連の著作から、構造主義の考え方を現在のほとんどの日本人が習得しているという考え方には疑問を持つようになってしまっています。


 著者が構造主義の考え方の例に引いているのが、20世紀の帝国主義時代の植民地の支配者と被支配者の立場を今なら両方の立場で考えられるというものです。しかし、今まさにワイドショーなどで流されている嫌韓報道を見ていると、政府の首脳・大量の嫌韓報道を見させられている日本国民で、日本と韓国の両方の立場に立ちながら考えられる人は、一部にとどまっていそうです。出なければ、テレビ局があきもしないで、嫌韓報道を繰り返し、原因を作った日本政府の失策に対する批判がほとんどないことの説明ができません。


 一部の日本・韓国の両方の立場からものを見ることのできる人間だけが、劣化したテレビ報道に怒りを覚え、またウンザリしています。これが、ほとんどの人がうんざりしているのであれば、テレビ局へ批判が殺到するはずです。しかし、ほとんどの人はテレビの劣悪な報道を受け入れているために、大手テレビ局の日本政府を批判せずに嫌韓報道を繰り返すという愚かな姿勢を変えられないのです。


 他にも、構造主義の考え方から、学校教育で行われている「体育座り」が、生徒を支配するのに大きな役割を果たしていることが明らかになっているということに驚きました。体を屈して、自分の動きを制限し、浅くしか呼吸できない姿勢をとらせるということが、異常なことだと感じたことは今まで一切ありませんでした。世の中で当たり前に行われていることで、知らず知らずのうちに自分の自由を大きく奪っているものがあるという新鮮な発見ができて、とても有意義な一冊でした。


 目の前で行われていることにどういった意味があるのかを考え続けないと、知らず知らずのうちに軍国主義の考え方が身に沁み込んでしまいそうな日本の状況です。常に批判的な精神を持ちながら物事を見つめ、意味を考え続けていかなければ、奴隷的な思考の持ち主にされてしまいそうだと怖くなりました^^;


 頭を使い続けなければならないと、改めて決意させられました^^


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〜日本の地方創生を考える〜 『ドイツの地方都市はなぜ元気なのか』(高松平蔵)を読んで




 へっぶしんです。

 アフィリエイトがうまくいかずにへこむ日々が続いています^^;ま、本業は会社員なので、いつか自宅のPCの前が仕事場になればストレスのない生活ができるかな?くらいでやっているので、成果が出ないのかもしれませんが^^;

 相変わらず、本を読むペースにブログを書くペースが間に合っていないために、読み終わった本の山がなかなか片付きません^^;

 さて、『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書 [ 西岡 壱誠 ]』で紹介されてた本を買ってみたのですが、日本では全くうまくいっていない地方創生が軌道に乗っているドイツの地方都市について書かれた本です。

 地方都市の衰退に問題意識を持っている方には、ぜひご一読いただきたい一冊です。



 作者は高松平蔵氏です。

 
 ドイツ在住のジャーナリストの方で、1969年にならで生まれた後に、会社勤務を経て独立されています。さらに、京都経済新聞社を経てジャーナリストになられています。1997年ころから、ドイツのエアランゲンと日本を行き来する生活をされています。2002年からドイツ・エアランゲン市を拠点にして現在に至っています。著書に『エコライフ : ドイツと日本どう違う【電子書籍】[ 高松平蔵 ]』があります。



 ドイツのエアランゲン市に住まれている著者の目から、日本の地方都市とドイツの地方都市が比較されています。著者が着目している点として、「質の高い都市」=「文化の充実度が高い都市」というものがある。また、ひとつの自治体ですべてがそろうということも重要視されています。

 生活のためのすべてのものをそろえられる自治体の規模とはどれくらいなのでしょうか。

 筆者は、10万人前後だと主張しています。

 しかし、ドイツでは50万人以上の自治体が12、100万人規模の自治体は3つだけですが、、日本では50万人以上の自治体が25もあります。都市への人口の一極集中や、市町村合併をする前に(もうかなり進んでしまっていますが)、最適な都市のサイズをただ単に大規模ならいいという発想から脱却して考えた方がいいですよね。生活に不自由しない近隣の都市が連携をしあっていくという発想が大切です。

 また、日本の過疎の問題で失われつつあるものが、ひとつの自治体ですべてがそろうということでしょう。教育・医療すらままならない自治体が増えています。補助金に頼り独自性を失っていく限界集落を多く抱える日本の自治体に比べると、輝いて見えるのがエアランゲン市です。

 衰退途上にある日本の自治体が、まずは取り組まなければならないのが「循環系」の復活のようです。

 「循環系」とは、「行政の企業誘致の成功」⇒「地域の人々に地元の職場ができる」⇒「都市の経済力が高まる」⇒「高い生活を実現するための環境整備ができる」⇒「文化度の高い都市の実現」⇒「企業誘致につながる」という都市が活性化するための好循環だと筆者は定義しています。

 日本では、産学連携というと大企業と有名大学の世界最先端の研究にこだわっている印象を受けます。調べていないのであまり偉そうなことは言えないのですが、その地方固有の問題を解決するための産学連携というのがあってもいいのかなと思います。観光の誘致をしたいのであれば、どの地域にも固有の歴史があり、他の地域とは異なる特産物があるはずです。それを農業研究したり、伝統的工芸品として申請したりといったことができそうです。その研究成果をSNSなどで発信していけば、観光資源になりうるのではないでしょうか。下調べなどを研究の一環として大学生がゼミなどで行い、それを自治体・企業が発信していくという仕組み作りなどは、今の日本の制度でもできそうです。

 個人的な体験では、海外に行っても都市はどこも同じように感じました。しかし電車で30分も移動すると、その国・その地方特有の風景が広がっていました。東京では、都心から電車で30分移動すると、あまり個性のないベッドタウンが広がってしまっています。首都圏では、地域の特性が出しにくくなってしまっています。だからこそ、人口が一極集中していない地方都市は、自らのアイデンティティに基づく特色ある都市づくりを再生する可能性があるのではないでしょうか。

 900万人もいる東京の特別区が失ってしまった地域の独自性を、日本の地方都市が取戻してくれれば、人口減少が進み経済規模が小さくなっていく日本にも、希望が持てるようになるのではないでしょうか。そんな変化の可能性を感じさせてくれる一冊です。


 少子高齢化が止まらない日本にあって、合計解く出生率の低い東京都に若者の人口流入が続くという、衰退の悪循環を止めるには、地方都市の再生がカギになるのではないでしょうか。大都市の魅力ではなく、特色のある地方都市の魅力を作っていける日本になるためには、世界の中で成功している地方都市に学ぶ姿勢が大切ではないでしょうか。


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。






〜モンゴルの草原に思いをはせる(5)〜 『絶影〜チンギス紀五』(北方謙三)を読んで





 へっぶしんです。

 さぼっていた期間を、年間でめったにない連休で取り戻せるでしょうか^^;

 発売とともに家に届いて、読むのは早かったのですが、そこからブログにするまでに約2か月も寝かせてしまいました。読んだ本というのは熟成するのでしょうか。なんてろくでもないことを考えながら、本日2本目を書いています^^;(暇なのかと言えば、休みの日は暇ですとしか言いようが。。。)



 作者は北方謙三氏です。

 
 1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。

 81年『弔鐘はるかなり (集英社文庫)』でデビュー。

 83年『眠りなき夜 (集英社文庫)』で第4回吉川英二文学新人賞、85年『渇きの街 (集英社文庫)』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星 (集英社文庫)』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。

 2004年『楊家将(下) (PHP文庫)』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝完結BOX (集英社文庫)』で第9回司馬遼太郎賞、07年『【中古】独り群せず /文藝春秋(文庫)』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝「全15巻+読本」 (集英社文庫)』で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。

 13年に紫綬褒章を受章。

 16年、第64回菊池寛賞を受賞。『【中古】三国志[文庫版]【文庫版 三国志全13巻+三国志読本 計14巻  全巻セット』、『史記 武帝紀 時代小説文庫 7巻セット[本/雑誌] / 北方謙三/〔著〕』ほか、著書多数。



 第5巻を読み終わってもまだ、テムジンのモンゴル族の統一すらままならない状況です。何巻まで続くのでしょうか^^;本を読むこと自体は、泳ぎ続けなければ呼吸が止まってしまう鮪のように、文字を読み続けなければ、脳が・・・。になってしまいそうなので、活字には毎日触れていて、楽しくて仕方がないので全く問題ないのですが、新巻を待つというのがどうにも我慢できません。

 思春期の頃の週刊誌のマンガの新巻を待っていた時の感じを思い出します^^;

 さて、物語の内容ですが、テムジンがタイチウト氏と戦闘をすると前に立ちはだかり、勢力を伸ばす障害になっていた玄翁の正体が判明します。というか・・・。

 あとは読んでのお楽しみというところでしょうか。。。

 テムジンがこの後、モンゴル族を統一して、さらにモンゴルの地も統一して、草原から大きく西方に支配を広げるモンゴル帝国の基礎を築くのですが、北方氏はその基盤を兵站(ロジスティクス)に求めているようです。世界史のお勉強では、駅伝制(ジャムチ)という情報伝達手段が出てきたかと思いますが、鉄山を探し続け、馬の牧場を整備し、あらゆるものを交易に頼らずに自前で調達できる国作りを行っています。モンゴルの草原で作られたものが、のちに遥か西方にまでもたらされるのでしょうか。

 第6巻が待ち遠しいですね。




 じつは、冬になると森に入るメルキト族の長のトクトアの行動にちょっと魅かれています。数万人を統べる部族の長でありながら、ひとりで森に入り狩猟をしながら冬を越すという自然との戦い(共生?)をしているのは、人のしがらみから逃れたいという心情の発露でしょう。

 私自身は、とくに人を統べるような立場にあるわけではありませんが、サービス業のサラリーマンのため、常に人にもまれています。

 「ひとりになりたい」


 という気持ちは、心に染み入るほどよくわかります。ただ、冬のモンゴルの森で一人きりはさすがに大変そうですね^^;


 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。






〜獅子心王リチャードとサラディンの対決〜 『十字軍物語(三)』(塩野七生)を読んで






 へっぶしんです。 相変わらず読み終わった本が山と積まれていて、本から、「いつブログにしてくれるの?」という声が聞こえてきそうな状態が続いています^^;

 そして、妻やむすめから、「いつ片付けるの?」といいたげな冷たい視線を浴び続け、家に帰るのが苦痛になり、飲んで帰り、妻の視線がさらに冷たくなるという悪循環の生活が続いています^^;

 世界の、日本の平和を願う前に、我が家が平和にならないかというささやかな願いが叶うことを、心から願っています。もちろん、世界が平和になり、日本が平和になることも望んでいます。

 連続になりますが、四巻立ての三巻目を読み終えました^^塩野七生氏の『十字軍物語(2)』です。日本史はある程度は通史が頭の中に入っているのですが、世界史は高校生以来、体系的な学習を行っていないので、忘却のかなたです。『ローマ人の物語』、『海の都の物語』、『ローマ亡き後の地中海世界』を読みましたが、ヨーロッパ史は、なかなか頭に入りません^^;



 作者は塩野七生氏です。


 塩野七生氏は、学習院大学文学部哲学科を卒業後にイタリアに遊学され、多数の著書を書かれています。全巻読破したいくらいなのですが、多すぎます^^;

 主な著書に
ルネサンスの女たち (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫) [ 塩野 七生 ]

海の都の物語(1) ヴェネツィア共和国の一千年 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

ローマ人の物語(1) ローマは一日にして成らず 上 (新潮文庫) [ 塩野七生 ]

など多数あります。

[概要]

帯より

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 揺れる中東
 役者はそろった
 激化する総力戦
 「中世騎士道の華」と呼ばれた男が中途のうちを舞台に、イスラム世界の盟主と相まみえる!
-----------------------------------------------


  相変わらず、物語をあじわいながら堪能するということができずに、続きが気になるばかりに一気に読んでしまっています。伏線も情景描写などによる暗示も何もすっ飛ばして、ひたすらストーリーを追いかけています^^;



 キリスト教の聖地であり、イスラム教の第三の聖地でもあるイェルサレムをめぐる中世のキリスト教国家とイスラム国家の盟主同士の対決です。


 物語の時期は1187年のサラディンの大勝利となったハッティンの戦闘から始まります。サラディンにより奪われた聖都イェルサレムを回復するための第3回・第4回・第5回の十字軍の物語です。第5回の十字軍が終結した1221年で物語が終わっています。


 第3回十字軍は、スンニ派とシーア派に分裂していたイスラム国家を統一した英雄サラディンに、若きイギリス王のリチャードが立ち向かいます。第3回十字軍の発足では神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ1世・フランス王フィリップ2世・イギリス王リチャード1世が軍を率いてサラディンに立ち向かいます。しかし、フリードリッヒ1世は、陸路を中東に向かうも途中で、渡河中に落馬して命を落とします。さらに、中世的な領土欲からフィリップ2世は帰国します。このあたりの記述が、多くの封建領主を従える王ではあるが、直轄領の少ないフランス王の事情に迫っていて大変興味深かったです。


 サラディン対リチャードの戦闘も、大軍を率いていながら先頭に勝利できないサラディンの苦境と、少数の兵で大軍と戦うリチャード1世の駆け引きに惹きつけられました。ローマ帝国を15年間書き続けた塩野氏の描写力がいかんなく発揮されていて、興味深い場面がとても多いです。


 さらに、3回にわたる十字軍の影の功労者であるイタリアの海洋都市国家であるジェノバ・ピサ・ヴェネツィアの利害の対立が物語をまるで目の前で起こっている出来事のように、リアルに見せる役割を果たしていました。


 日本では、1185年に平家が滅亡して、鎌倉幕府が成立し、将軍家である源氏の滅亡に起因する承久の乱の年に3巻が終わっています。第5回十字軍の終了の年と、承久の乱の年が同じなんですね。ヨーロッパの中世が、登場人物の背景とともに生き生きと魅力的に書かれています。


 第1巻で戦争を書かなければ歴史を語れないと帯で宣言を指摘をして始まった十字軍の物語ですが、中世のローマ教皇庁・イスラム国家の体制の類似性(権威と権力の分離)や、王や封建諸侯の事情、ヨーロッパ・中東の住居の状況など細部に至るまで、想像力を巡らせて編まれた物語に魅了されるばかりです^^;

 第4巻は未購入なのですが、 楽しみです♪


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