へっぶしんのニュースや日記

格差社会に疑問を感じながら日々を過ごしています。 まともに働いても給料が減り続けるので、副業で投資をして資産を築こうと株と投資信託、FXをしています。 趣味の読書とアイネット証券のループイフダンの日々の成績について書いていきます。

〜「-834670円」、GBPでロスカットになり資金の大半を失う〜 ループイフダンで1億円を目指す過程20190103のまとめ


 へっぶしんです。

 年明け早々のGBPの急落で、アイネット証券のループイフダンで強制ロスカットが発生し、資金の大半を失いました。

 FX自体は続けていきますし、再起を図っていきますが、3年で積み上げた利益をすべて失い、残った資金はループイフダンを始めたときの30万に戻っています。

 とりあえず、強制ロスカットの悲惨な画像です。

終了。。。




























































 いろいろなブログを見ていると、私と同様に強制ロスカットになった人が多かったようです。

 不幸中の幸いは、投資を行う上で当然のことなのですが、手を付けてはいけないお金は投入していないということでした。あくまでも、将来のための資金での運用失敗ですので、精神的に落ち込んではいますが、運用方針を見直して再起を図れば、まだまだ投資は続けられる状態です。

1月9日の日足










※アイネット証券のループイフダンで作成

 それにしても、長い下ひげですね。133.319円でのロスカットなので、明らかにポジションの持ちすぎが原因です。数年に1回の暴落ですが、そこまで考えてポジションを調整していなかったのが原因です。

 利益を追求するあまり、リスク管理が甘くなり過ぎていました。ループイフダンの運用をして3年の間に、ピンチは2回ほどあったのですが、それを乗り切ったという自信が過信になってしまいました。

 何度か設定を止めるかの判断をすると書いていましたが、結局設定を止めたのが1月2日の夜でした。しかもB50の買い設定2本のうちの1本を止めただけでした。

 リスクに対して鈍感になりすぎていました。

 そこで、今後の運用方針は、レバレッジが5倍を越えたら止める。

 というルールを厳格に守っていきます。

 ただ、あくまでも利益の追求と1億円を目指すという目標は変わらないので、値幅の狭い設定にしてトレンドフォローを徹底する方針に切り替えます。設定を頻繁にいじることになりますが、日々の場帳の記入と日足チャートの確認を、今まで以上に徹底して利益を追求します。

 毎回書かないと怖いので、投資は自己責任でお願いします。私のつたない相場観を信じて損をしましたと訴えられても、大した財産も無いのであなたの財産の保証はできません。単なる参考程度に読んでいただければ幸いです。

 よろしければ、こちらのくりっくをよろしくお願いします。

〜食べることもままならない貧困層が出現した国、日本〜 『年収100万円で生きる』(吉川ばんび)を読んで




 へっぶしんです。さぼり病がなおらずに、前回の更新がいつだったかを思い出せ中くなってしまっています^^;

 世間はコロナ禍で大変なことになっていますね^^;

 そのような中で、顧客の契約数が前年を下回る苦しい状況ながら、私の会社は元気に営業しています。電車に乗るのが苦痛で仕方がありませんが、夫婦そろって収入が変わっていないという状況に感謝しなければいけないという恐ろしい状況になっています。

 以前、階級社会の話で、リーマンショックなどで職を失ったのは低学歴層が多いという事実を書いた気がします。参照している記事が違ったら申し訳ありません。

 その後もちょこちょこ本を読み続けていますが、生まれた家庭がその後の人生を大きく左右する世の中だとういう事実を確信するばかりです。

 そして、能天気にブログを書いていられる自分の生まれた環境に感謝する日々を送っています^^;


 今回のコロナ禍で仕事を失った人、生活できないレベルの減収に陥った人は、対面でしか営業できないサービス業が多いそうです。たとえば、飲食店や理髪店などは、家賃が支払えなくなり廃業に追い込まれる店が多いようです。

 それ以前に、以前から貧困に陥っており、年収が100万円前後で、足を延ばして寝ることもできず、栄養状態が悪化して体調を崩して、さらに働けなくなっている層が、日本に存在するようです。貧困の話は何度かかいていますが、その実態のルポです。


 筆者自身も、阪神・淡路大震災で家を失ったことをきっかけに家庭が崩壊し、貧困の状況から這い上がったひとりで、大学の奨学金の返済、家への仕送り、ブラック企業で体力を削られて精神を病むという経験をしています。

 私立の大学を当たり前のように出してもらっている人間にとっては、にわかには信じがたいエピソードです。しかし、就職氷河期の経験で重なる部分もあり、ブラックな職場ということには共感を得られる部分もありました。

 私自身も、朝の8:30から夜中の23:00まで働き、通勤が片道1時間半かかったことがあり、2か月しか持たず、3か月目からは目に見えて遅刻が増え、体調不良が多くなり、有休を使い果たした経験があります。現在の有休が余って、使い方を知りたい等状況とは全く違う、過酷な日々を過ごしたことを思い出してしましました。


 さて、マック難民という言葉をご存知でしょうか。住むところを追われて、日雇いの仕事をして、24時間営業のマックで睡眠をとるという人が存在するようです。その方のそれまでの人生が簡単に書かれています。また、道の駅の駐車場で、車上生活をするひともいるようです。いずれもスマホで日雇いの仕事を探しながら、都市の中で放浪するような生活を送っています。


 いずれ、行き倒れになる人を横目に通勤する日が来るのではないかと、怖くなってしまいます。




 コロナ禍での政府の対応の遅さは、政治家や公務員が、自営業・フリーランスの人たち、資金力のない中小企業に勤めていて、仕事を失った人たちの温度感がわからないということに起因していると言われています。

 総理大臣自信が、祖父・祖父の弟が総理大臣、父親が外務大臣という家で生まれ育ち、小学校から私立だったために、一般の感覚を持った人と過ごしたことがない人のようです。そんな人がいくら、「国民の生命と財産を守ります」と言っても、言っていることとやっていることが一致しないのは当然でしょう。

 それは、アメリカでも同様でしょう。食うや食わずやという、命をつなぐのにギリギリの生活をしている人が、日本でも増えつつあるようです。




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〜ネトウヨ現象は欧米でも見られる〜 『朝日ぎらい』(橘玲)、『貧困と愛国』(雨宮処凛、佐高信)を読んで



 へっぶしんです。今年は暖冬で、早朝から1時間強も立ちっぱなしという過酷な業務が、そんなに辛くなくて拍子抜けしてしまいました。ただ、睡眠時間をきちんととれない状況が何日かあり、どうにか乗り切りました^^;1回寝坊してしまいましたが。。。

 私が勤めている会社では、人事異動が3月にあります。毎年のように少しずつ異動があり、今年も動きます。職場の環境が少しでもいい方向に行ってくれることを祈る日々です^^;


 ネトウヨに関して情報を集めている方々は、周知の事実かもしれませんが、彼らは低所得な場合が多いです。日本の最貧困層ではありませんが、社会的なポジションを外国人に奪われる危機に瀕している方々です。そうでないという指摘もあり、ネトウヨを増産するような出版物を買う購買力があるので、中産階級が主力だと主張している方がたもいらっしゃいます。

 しかし、朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論 (朝日新書) [ 橘玲 ]では、アメリカにおいてはプアホワイトが、ヨーロッパでは移民に仕事を奪われた若者が、日本のネトウヨと同じような排外主義的なネット活動や行動をしているようです。

 アメリカのプアホワイトは、デトロイトなどの自動車工場で働いていたが、工場の閉鎖や縮小で仕事を失ったり、収入が減ったりしている白人のことです。アメリカでは、黒人の社会的地位や収入が低いので、大学入学で黒人が有利になるようにするアファーマティブアクションという黒人優遇政策がとられています。しかし社会的立場に恵まれない白人に対しての優遇措置は無いようです。そのため、恵まれない境遇に陥った白人が、「白人である」ということ以外に自分を誇ることができなくなり、人種差別的な発言・行動をするということです。

 ヨーロッパでは、イギリス・フランス・ドイツが経済的に強く、経済的に強くない東ヨーロッパからの移民が止まりません。イタリアでは、北アフリカからの難民が多くて問題を抱えています。そのような人たちが低賃金の非熟練労働に従事するために、もともと住んでいた若者と職を奪い合う構図になっています。そのため、移民などに仕事を奪われた若者が、排外主義的な言動や行動に出るということです。こちらも「〇〇人である」ということ以外に自らを誇れることがないということが、日本のネトウヨ、アメリカのプアホワイトと共通しています。

 いずれも、社会的立場が弱いにもかかわらず、自国の政府から支援を期待できない階層の人たちです。それを利用しているのが、アメリカのトランプ大統領やヨーロッパの右派政党、日本ではメディアではないでしょうか。 日本のメディアでは、最貧困層の生活を面白おかしく報道して、視聴者に対しては、ここまで自分の生活は落ちていないという妙な安心感を与えようとする番組が散見されます。また、日本はスバラシイという自己閉鎖的な番組や中国・韓国を罵倒して視聴者を喜ばせようという報道をし、極右政府を支援する番組があります。さらには、排外主義をあおって、自らの懐を温める言論人も多く存在します。

 日本のメディアの特徴としては、大手が独自取材をあまりしないということではないでしょうか。ただ海外の事情を知らないので、もしかしたら欧米でも似たような現象があるのかもしれません。以前に読んだ鈴木大介氏の著書(タイトルは忘れました^^;)では、大手メディアの記者に、貧困少女を紹介してくれと頼まれたが、それくらいは自分でルートを作ればいいのにといった内容が書かれていました。

 逆に政治や刑事事件の記事では、政府発表・警察発表を垂れ流すだけで、独自に取材した形跡の薄い番組・記事が目立ちます。自らの目で見たことを報道するというよりも、視聴者が見たいものだけを報道する姿勢が目立ちます。また、大企業の不利になるような報道もほとんどしていないのではないでしょうか。視聴者に耳触りの良いことだけを報道して、社会の問題点から目をそらすようなことを続けているうちに、実質的な経済は落ち込み、国民の人権は削られ、世帯年収がじわじわと下がり続ける状況が続いています。本当にメディアが想定るする視聴者は、日本が衰退期に入っているという報道を見たくないのでしょうか。関係者(特にトップやそこに近い人)には、猛省を促したいです。

 少し話を戻しますが、【バーゲン本】貧困と愛国 [ 雨宮 処凛 他 ]では、雨宮処凛氏が自己の体験として、スナックで働いたときに、経営者が「安い韓国の女の子を雇おうか」と発言したことに対して、「韓国人に自分の仕事を奪われる」と強い焦燥感を覚えたと書いています。雨宮氏は、20代でフリーターとニートを行ったり来たりする生活をしていて、「このままではいずれホームレスになるしかないね」などと、友人と話していたということです。そして実際に、30代・40代のフリーターで、住むところを奪われた方が、炊き出しなどに来ることが多くなっていると書かれています。年収を300万稼いで結婚することが夢だという人が増えていると言います。

 雨宮氏の体験談では、社会の分断、労働問題で考えさせらることが多いです。中卒・高卒のフリーターの方の中には、生活苦で自殺に追い込まれる方もいらっしゃるようで、現在は自殺者が減っていますが、それでも3万人弱の方が毎年自ら命をたっています。また当時は周囲に似たような境遇の人しかいなかったとかいています。日本社会の分断ということでは、私の周りには、わりと裕福な家庭に育って、大企業で働いている人が多く、逆に同年代のフリーターとの付き合いはほとんどありません。今いる自分のポジションに近い人しか見えない社会になっていると感じざるを得ません。一見開いているように見える日本社会ですが、見かけよりも閉鎖性が強いのではないでしょうか。

 労働問題では、ブラック企業の正社員で命を削りながら「普通の収入」を確保するのか、収入をあきらめてフリーターになるのかの二択しかないと書いています。中卒・高卒の人材を正規雇用する会社が少ないようです。またフリーターを続けて30代になった若者を雇用しようとする会社は、皆無に近いようです。そのような中でも採用を行っている企業は、人を使い捨てにするようなブラック企業しかないということでしょうか。

 生まれた環境が恵まれていなかったり、一度レールを踏み外したりすると、将来の展望を絶たれてしまう社会が、今の日本なのだなと怖くなりました。様々な人が、多様な方法で社会参加できるようになってほしいと切に願います。




 もともと日本は閉鎖的な社会だと言われています。相対的な貧困率で言えば、バブル絶頂期にもおそらく15%前後の方が平均年収の半分以下の収入で暮らしていたと思われます。それから30年たち、年号が令和になった現在では、平均年収自体がバブル期よりも100万円ほど下がり、2015年の国民生活基礎調査では、世帯年収の最頻値が300万円をわるというじょうきょうになっています。

 それでも政府は、景気は良くなったと強弁しています。事実や統計を見ながら、社会全体を見ていきたいです。
ているようです。



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〜格差の連鎖を悲しく思う〜 『子供と貧困』(朝日新聞出版班)、『貧困世代』(藤田孝典)を読んで



 へっぶしんです。仕事の最繁忙期が一段落しつつあり、休日のたびに体調を崩しています^^;

 人の幸せとは何か、憲法25条で定めている「健康で文化的な最低限との生活を営む権利」、つまりは生存権とは何かを考えながら、格差について読んでいます。

 日本では、会社に滅私奉公するのが一般的な男性の姿ですが、私は会社に人生をささげるつもりは毛頭ありません。そもそも会社という組織は、人の人生をサポートるするためにあるのです。仕事一筋の人生なんて、薄っぺらい、寂しい人生を歩むのはゴメンだと思っています。

 利用す対象でしかない会社という組織に、人生を圧迫されているという悲しい現実と向き合いながら、日本に、世界的に広がっている格差がどうにかならないかと日々考えています^^;


 まずは事実の確認から始めたいのですが、日本の子どもの相対的貧困率は、調査以来約15%前後を行ったり来たりしています。1学年で約100万人と考えると、貧困にさらされている子どもは約15万人います。子どもを18歳までだとすると、約270万人の子どもが貧困の中で育っていることになります。


 朝日新聞の取材班が取材したルポでは、親が高校生のバイト代を巻き上げてパチンコに行っている事例などもあります。そして、その親も貧困の中で育っているのだと。家庭の事情で進学をあきらめる子どもが、この日本に相当数いるという事実を直視しなければいけません。


 さらには『貧困世代』で藤田氏は、若者に対して社会福祉として住宅政策を行っている国と、そうでない国を比べると、婚姻率・少子化の度合いに有意な差がでると指摘しています。また、現在の弱肉強食の新自由主義を放置すると、貧困世代(藤田氏の定義では39歳以下のバブル崩壊後に社会参加した世代)の多くの人々が、将来貧困に陥り、今よりも社会保障費が膨らむ危機的な状態になると指摘しています。


 藤田氏は踏み込んで、社会の構造が若者を貧困に追いやっていると主張しています。住むところを追われて、藤田氏のNPOに支援を求めに行く若者は、特別な存在ではないと指摘しています。現在の大学への進学率は、50%程度です。なんとその半分が、奨学金を利用しているとのことです。私が大学生の頃は、アメリカでは奨学金で大学を出て、社会に出るときには500万くらいの借金を背負っているという話を聞いていました。そして、アメリカはひどい社会だなと対岸の火事のように感じていました。しかし今の日本も、約25%の若者が当時のアメリカと同じような状況になっているようです。借金を500万も背負って社会に出て、非正規雇用で年収200万しか稼げなかったとしたら、実家で暮らしていても苦しいのではないでしょうか。


 また大学進学者の半分もの若者が、奨学金(給付型ではないので、平たく言えば借金)に頼らざるを得ないのは、学費の高騰にあると藤田氏は指摘しています。OECD加盟国の中で、GDP比での国の教育支出が最低の日本では、大学・専門学校などが若者を借金漬けにしてから社会に出すという構図になってしまっているようです。


 このように、日本学生機構が若者を食い物にして、企業が非正規雇用の低賃金で若者を食い物にする。そんな国になってきているようです。バブル崩壊直前の1980年から比べると、日本の世帯年収の中央値は、100万円強も下がっています。にもかかわらず、政府は景気は良いと言い、経済は成長していると強弁しています。


 客観的な数字を基にして、社会のゆがみを指摘しながら、ひとつひとつ社会問題に対処していかないと、気付いた時には手遅れになっている危険があります。すでに政府がやることなすことが、後手後手に回っています。少子化の問題などは、30年前から指摘されていながら、問題が深刻化する一方です。本当に一般的な家庭を直視できる政治家が、民主的に官僚に指示を出せるようになってほしいものです。




 格差・貧困が、世界を覆う新自由主義政策の下で、深刻化しています。インドネシアでは、消費税をなくしたところ経済が良くなったとのことです。新自由主義の権化になり下がっている日本政府の「常識」を一生懸命に理解して内面化しようとすればするほど、普通の人は自分の首を絞めることになります。

 また、サンプルの少ないメディアの電話での世論調査は、怪しさを増すばかりです。なき各支持率は、大手メディアのものと地方新聞社のもので大きな乖離が出ています。

 周りの意見ではなく、自分でデータを見ながら社会の動向を考えなければいけない状況になっているようです。




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〜遺伝で自己家畜化を選んだ日本人〜 『もっと言ってはいけない』(橘玲)を読んで


 へっぶしんです。日々メンタルを削りながら仕事をしています^^;

 どこまで心が持つのかというチキンレースのような状況になっています><

 3月には、ひと段落するのですが、あと1か月は厳しい状況が続きそうです^^;

 さて今回は、「〜新下流層の出現〜 『言ってはいけない〜残酷すぎる真実』(橘玲)を読んで」の続編を読みました



 帯より、

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日本人の3人に1人は日本語か読めない?


人種で知能は違う!?


「置かれた場所」で咲くのは不幸!?


高所得をもたらす性格は!?


人間社会のタブーが


また、明かされる!


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帯裏より、

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 日本は世界一「自己家畜化」された民族/差別の温床は遺伝にある/知識社会に適応できない国民が多いほど、その国が混乱する/リベラルな社会ほど遺伝率が上がる/年を取るほど、親に酷似する/教育無償化で弱者はさらに苦しむ/先進国の知能は低下し始めている/男は極端、女は平均を求める/IQの高い国と低い国がある/知能の高い国はリベラルになる/言語が乏しいと保守的になる/人類の先祖は水生生活者/海外で成功した日本人にはワケがある/日本が華僑に侵されない理由/日本人は「ひ弱なラン」

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 帯には、衝撃的なフレーズが並んでいます。最近の遺伝行動学では、想像以上に遺伝の影響が大きいことが分かってきたようです。また、日本人の1/3は日本語が読めないというのは、国際機関によるテストの結果で、それでも諸外国よりは読める人の比率が高いようです。世論調査やネットを見ていると、読解力についてはうなずける部分が多いなというのが実感です。

 筆者は、遺伝について「リベラル」に判断すべきだと主張しており、また「ある程度」は「遺伝決定論」を受け入れるべきだと主張している。

 前書きで、

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「遺伝決定論」を批判するひとたちは、どのような困難も本人の努力や親の子育て、あるいは周囲の大人たちの善意で乗り越えていけるはずだとの頑強な信念をもっている。そしてこの美しい物語を否定する者を、「差別主義者」のレッテルを貼って葬り去ろうとする。
 だが、本人や子どもがどれほど努力しても改善しない場合はどうなるのだろうか。その結論は決まっている。努力しているつもりになっているだけで、努力が足りないのだ。なぜなら、困難は意志のちからで乗り越えられるはずなのだから。
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 と、述べています。知能は「ある程度」遺伝に左右されるようですが、遺伝の影響をを一切認めないと、「だれでも努力次第で東大に入ることもできるし、大企業の社長にもなれる。企業で昇進できない人、学力が上がらない原因はすべてが怠惰に起因する。」ということになります。

 そう言われると、反発したくなるのではないでしょうか。統合失調症やADHDも遺伝する確率が、身長や体重よりも高いようです。これが、日本では「言ってはいけない」事実だと筆者は主張しています。

 さて、「言語が乏しいと保守的になる」、「日本は世界一「自己家畜化」された民族」について考えていきたいと思います。

 「言語が乏しいと保守的になる」では、PIAACというOECDの主催で、16歳から65歳の成人を対象として「読解力」、「数的思考力」、「ITを活用した問題解決能力」の3分野を測定する「国際成人力調査」を説明しています。これには、23か国が参加しています。

・イギリス(ITスキル19位)のブレグジット
・アメリカ(数的思考力・ITスキル21位)大統領選挙でのトランプ大統領の選出
・フランス(読解力21位、数的思考力20位)の大統領選での「極右」の国民戦線のルペン候補者が決選投票に残る
・ポーランド(読解力19位、ITスキル23位)の排外主義的な右派政権の誕生

などを根拠としています。

 これでは、日本の極右長期政権を説明できませんが、ヨーロッパでは「言語が乏しいと保守的になる」は、現象と調査結果に相関関係がありそうです。日本に当てはめて考えてみると、自民党の支持者が約30%です。これを乱暴に、文章の読めない1/3に当てはめてしまえば、相関関係を説明できることになります。無理やりですが。だから、自分に不利になる政策を続ける政権を維持させ続けているのでしょう。〜所得格差拡大を憂う〜 『上級国民/下級国民』(橘玲)を読んででも書きましたが、徐々に、真綿で首を絞めるように日本人の平均世帯年収が下がり続けています。それにもかかわらず、逆進性(高所得者の負担が少なく、低所得者ほどダメージが大きい性質)のある消費税を増税しても、社会的な混乱が起きません。自民党を支持する日本で苦しい生活を余儀なくされている人は、「言語が乏し」く、自らの支持や投票行動によって自分を窮地に追いやっていることを理解できていないということになります。そうすると、現在の日本で起きている現象を説明できることになります。因果関係では、「言語が乏しいと保守的になる」を証明するのは大変でしょうが、読解力をキイワードにして相関関係があるということは言えるのではないでしょうか。

 次に、「日本は世界一「自己家畜化」された民族」ですが、これは、日本の地理的な環境によるものだと筆者は説明しています。農業社会では、狭い土地に人が密集して住むことになるために、狩猟・採集社会では必要だった「勇敢さ・獰猛さ」といった性質が嫌われるようになったということです。つまり、自ら牙を抜いたということになりますね。

 さらに進んで、指導者に逆らうものは徹底して排除されるという社会になり、指導者に従順に従う性質を身につけたと説明します。たしかに弥生時代以来、日本は農耕社会が続いていました。その歴史の中で、周囲との摩擦(行き過ぎると抗争に発展する)を避けるために必須のスキルのように思えます。このような性質が、遺伝的に組み込まれているとしたら、民主主義社会の想定する市民には到底なれませんね。遺伝で歴史を説明できてしまうという時代が、もうそこまで来ているのかもしれません。

 日本人の原罪として、太平洋戦争での周囲の国々への残酷な侵略行為を挙げることができ、なぜ道を間違えたのかの検証と、考察を続けなければなりません。個人的には、日本人の指導者への批判的能力の低さが、太平洋戦争の惨禍を引き起こしたのではないかと考えています。そして、なぜ、指導者が無能で、道を誤ってもついていってしまうのかが、「日本は世界一「自己家畜化」された民族」で説明できてしまうのであれば、何とかして克服したい性質ではないでしょうか。




 あなたの性格や考え方は遺伝で決定されている。と言われると、違和感を覚え、反発したくなります。しかし、最新の遺伝行動学では、自分は思っている以上に遺伝に影響されているようです。ただ、環境が自分を変える余地もかなりあるようです。自分にできるのは、自分の環境を自分で作っていくということです。

 残念なことに、子育てが子どもに与える影響はほとんどないようです。しかし、性格の遺伝はあるようです。また、遺伝以外に人格を形成する要因として、「非共有環境」(平たく言えば子供の友達関係)が、子どもに与える影響が大きいようです。であれば、家庭での子育てやしつけは効果がないとしても、子どもが付き合う友人環境には、親がある程度介入できるのではないでしょうか。

 遺伝行動学の知見を、自分に当てはめてみて、行動を決めていきたいです。


 著者は、橘玲氏です。 1959年生まれ。作家。国際金融小説『マネーロンダリング (幻冬舎文庫)』『タックスヘイヴン (幻冬舎文庫)』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方新版 知的人生設計のすすめ (幻冬舎文庫)』『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』など金融・人生設計に関する著作も多数。

 『言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)』で2017新書大賞受賞。近著に『もっと言ってはいけない (新潮新書)』『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』『人生は攻略できる』など。


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〜日本社会の豊かさが奪われていく〜 『アンダークラス』(橋本健二)を読んで




 へっぶしんです。相変わらず仕事が最繁忙期で、メンタルが削られ続けている中の、つかの間の休日です^^;

 ランチでちょっぴり贅沢をしようと全力で回っているすし屋で昼食を食べていたら、サザエさんのように財布を忘れているのに気づきました。せっかくの贅沢が、スリリングな冷や汗に変わりました><

 結局は、スマホケースに入れている定期券をお店に預けて、家まで財布を取りに帰りました。後半のすしの味を全然覚えていません^^;

 さて、今回は『新・日本の階級社会 (講談社現代新書) [ 橋本 健二 ]』の続編の本です。



 帯より、

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出口の見えない不況の影で

「彼ら」は急速に増大した

この国を揺るがす衝撃の事実

930万人がアンダークラス

転職回数が多いと高齢アンダークラスになりやすい

「本が10冊以上ない家庭環境」で育つとアンダークラスに陥りやすい

女性がアンダークラスに陥るきっかけは「夫との離婚・死別」

落とし穴は、すぐそこにある


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帯裏より、

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 フリーターの先駆けだった元・若者たちは、すでに50歳前後となっている。その多くが、正規雇用を経験することなく、あるいは一時期しか経験することなく、今日に至っている。このような若者たちが、30年間にわたって社会に排出され続けてきた。そして離死別を経て、主婦から単身の非正規労働者へと転じた女性がここに加わり、巨大なアンダークラスが形成されてきた。アンダークラスを生み出す社会のしくみは、すでに日本の社会に深く根を下ろしてしまっている。

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 筆者は日本の階級構造を、
 ・資本家階級
 ・新中間階級
 ・労働者階級
 ・アンダークラス/主婦

と、旧中間階級に分けています。資本家階級、新中間階級、労働者階級、アンダークラス・主婦は、年収で縦に階層をなしています。これに、旧中間階級が独立した階層として横に置かれています。


 資本家階級は、構成比が4.1%で、個人年収が604万円・世帯年収が1060万円。

 新中間階級は、構成比が20.6%で、個人年収が499万円・世帯年収が798万円。

 労働者階級は、構成比が62.5%で、個人年収が263万円・世帯年収が564万円。

 旧中間階級は、構成比が12.9%で、個人年収が303万円・世帯年収が587万円。


 この本では、労働者階級にスポットを当てて、労働者階級の中で正規雇用の層と非正規雇用の層で分断が起きていると指摘しています。男性のデータをみると、正規雇用では個人年収が428万円・世帯年収が610万円です。非正規雇用になると、個人年収が、213万円・世帯年収が384万円です。


 これを見ると、私は労働者階級と新中間階級の間くらいで、新中間階級に近い収入を得ていることになり、首をかしげてしまします^^;


 それにしても、労働者階級内の分断の大きさは目を覆うばかりでしょう。労働人口が約6500満人と言われている中で、930万人もの人が世帯年収384万円でくらしているということは驚きです。これでは、食べていくだけで精一杯で、余暇を楽しんだり、ちょっとした贅沢を楽しむなどということは全くできないでしょう。


 そして、年収200万円台のアンダークラスに陥ってしまうと、未婚率が34%になり他の階層の17%の倍になります。おそらく余暇を過ごす金銭的な余裕がなく、男女が出会う場に行くことすらできないのでしょう。20代では15%ほどで10-50代では12%ほどがアンダークラスにいるようです。60代以上では比率が増えますが、企業の再雇用等で正規雇用の人が非正規になるからだとしています。結婚に関しては、適齢期を過ぎていると考えられる40代男性で、他の階層では8割前後が有配偶者なのに対して、アンダークラスでは約20%しか結婚できていません。収入が足りないために結婚ができないということが明白ですね。


 また筆者は、1990年代に出現したフリーターに対しての当時の分析を批判します。当時はパラサイトシングルなどと珍奇な目で見られていましたが、今から振り返ると、正規雇用のイスがないために非正規に甘んじるしかなかったのが実態のようです。そして、独立せずに親元で生活していたのも、独立するのに足る収入がなかったためだと主張しています。


 これがロストジェネレーションといわれている社会に出る時期が、就職氷河期と一致している世代と重なります。当時は、企業のリストラが方々で行われており、社会の目は失業したお父さんたちをどう支えるかに集中していたために、若者の就職まで支援が回らなかったようです。そのために、正規雇用を経験できずに業務スキルを身につける機会のなかった層が、アンダークラスになっているということです。さらには、企業が正規雇用を絞って非正規雇用を増やしているために、社会に出た瞬間からアンダークラスにいて、上昇する機会のない若者が毎年排出されているとしています。


 これらアンダークラスの男性は、貧しい家庭で育った比率が他の階層よりも高く、文化的環境に恵まれておらず、教育投資もされていない比率が、他の階層と比べて際立って高い特徴があります。まさに、「格差の遺伝」がおきているようです。さらに、学校でいじめなどを受けて不登校になったことのある比率も、他の階層と比べて突出しています。これを筆者は、「学校教育からの排除」と表現しています。


 またアンダークラスの女性については、出身家庭の環境は様々なようです。どちらかというと、結婚後に配偶者との死別・離婚が原因で貧困に陥ることが多いようです。


 これら59歳以下のアンダークラスの層の現状を筆者は、
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 五九歳以下の若年・中年アンダークラス男性と女性は、極度の貧困状態にある人が多く、安定した家族を形成したり維持したりすることもできない状態にある。肉体的にも精神的にも多くの困難を抱えており、状況が改善する見通しもない。五九歳以下の失業者・無業者は、さらに深刻な問題を抱えており、アンダークラスの一部、しかももっと下層性の強い部分とみなすことができる。
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と表現し、無業者を含めると2割くらいの層をなしていると指摘しています。この状態を放置すれば、いずれアンダークラスの層が高齢になった時に、社会保障に多額の費用がかかり、国の財政に大きな負の影響を与えると警鐘を鳴らしています。


 また、永山則夫を例に出して、自らの境遇に不満を抱き、階層を上昇させる機会がないために自暴自棄になり、無差別殺人などの事件が増えると指摘しています。


 確かに、秋葉原の通り魔事件、相模原の障がい者施設での大量殺人事件などの事件が、社会を震撼させています。構造的に生み出されてしまっているアンダークラスの人たちが、安心して生きられる社会を作らなければ、日本の足元が崩れていってしまうでしょう。


 この本で筆者は、自分がアンダークラスでないのは偶然にすぎないのだから、社会を下から支えているアンダークラスの人に居場所を提供するように政治を変えるべきだと主張しています。自分の育った環境を考えると、たまたま恵まれた家庭に生まれただけで、たいした能力もないと自覚しています。

 今まで紆余曲折を経ながらも、現在はなんとか正規雇用で仕事をできています。現在の生活環境は、育った環境よりも劣化はしていますが、むすめを私立の中高一貫校になんとか通わせることができています。これらは、自分の努力という枠の外で授かった「恩恵」に浴している部分が少なくありません。

 だからこそ、今よりももっとリベラルな社会になって、より多くの人が安心して、より豊かにくらせる社会になってほしいと願っています。個人的には、仕事にいっぱいいっぱいで、ストレスに負けそうになって、自分にまけることが多いですが、今の日本での自分のポジションはむしろ恵まれている方なのだと自覚しながら、生活に困窮してる人に対してできることを考えていきたいです。


 筆者は橋本健二氏です。

 1959年生まれ。東京大学教育学部卒。東京大学大学院博士課程修了。静岡大学教員などを経て、現在、早稲田大学人間科学学術院教授。専門は社会学。著書に『階級都市 格差が街を侵食する (ちくま新書)』、『新・日本の階級社会 (講談社現代新書)』、『「格差」の戦後史 階級社会日本の履歴書 (河出ブックス)[本/雑誌] (新書)』、『はじまりの戦後日本 激変期をさまよう人々 (河出ブックス) [ 橋本健二 ]』などがある。


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〜学歴社会・教育格差の被害者たち〜 『ルポ教育困難校』(朝比奈なを)を読んで

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 へっぶしんです。ブログの更新を、仕事の最繁忙期だという言い訳でさぼっています^^;ただ、7:00過ぎの時間にちょっとした業務があって、さらに23:00まで家に帰れない日があったりすると、休みでもとにかく体を休めたくなって、頭も使いたくなくなってしまいます^^;

 ま、毎日が長時間労働ではないのが救いですが、メンタルは相変わらず追い詰められてきついです><


 帯より、

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見捨てられる生徒

追い詰められる生徒

知られざる「底辺校」衝撃の現実


-------------------------------------------------------

帯裏より、

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「先生、いくら勉強しても

わかんない人っているんだよ。

分かんないと思うけどさ」

高校改革が進む一方、

社会から取り残される「教育困難校」の生徒たち。

在学生、卒業生、教員、PTA関係者など、

現場のさまざまな声を通し、

現状と課題を照射する。

-------------------------------------------------------

 高校の教員を長年務めた筆者が、「教育困難校」の実情を述べ、社会への警鐘を鳴らしています。

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 「教育困難校」では授業を始めることに大変な苦労を要する。授業開始のチャイムが鳴っても、教員が既に教壇に立っていても、多くの生徒は自分の席についておらず好きなことをやっている。廊下で友人とたむろしている者、教室内で友人と大声で話している者、机上にマスカラやリップを並べて化粧に余念のない者等々さまざまな行動をしているが、最近ではスマホに向かっている生徒が最も多い。複数の教員が廊下を巡回しながら「チャイムが鳴ったぞ。教室に入れ!」と大声で注意するが、「うるっせえな」などと小声で返しつつ行動をなかなかやめようとしない。
-------------------------------------------------------


 「教育困難校」の授業前の日常の記述ですが、どこの幼稚園だ?と驚いてしまいました^^;ただ、帯にもあったように、小中学校の段階で授業についていけないという経験をした子どもは、勉強に対して後ろ向きになり、自分に対しては勉強が必要のない者だと思い込んで自分を守ろうとしているのでしょうか。勉強が好きで好きで仕方がないという人も、世の中のごく一部の人だとは思いますが、できないなりに何とかできるようにしなけらば習いくらいの認識があるのが普通でしょう。


 最初に筆者は「底辺校」という言い方に、子どもたちが傷ついている。卒業生も、自分が卒業した学校を言いたがらない。と述べています。同窓会も組織されず、OBからの寄付もない。そして、入学時の学力が低い学校を、世間では「底辺校」と言い、筆者は「教育困難校」と書いています。


 一般的にも、教育関係の学者でも、はっきりとした定義のない「教育困難校」ですが、筆者は入学偏差値が44以下、または38以下だと述べています。東京や大都市圏では例外的に中高一貫校が多いため、高校入試をする生徒たちは、学力上位層がほぼ抜けた中での競争になります。そのため都立の高校入試では、難易度の低い共通問題と学力上位層を選抜するための独自作成問題に分けられています。公立高校の入試は都道府県でさまざまにあると思いますが、学校の勉強だけではとても対応できない入試になっている東京都は、全国的にみると特殊なのではないでしょうか。このように都道府県によって、学力平均値である偏差値50にばらつきが出るために、筆者は偏差値44〜38以下を「教育困難校」としているのでしょう。


 個人的には、勉強なんか好きではなく、高校でも赤点を取って追試になるという面倒な事態を避けるために、定期試験では好きな教科はそれなりに勉強し、赤点ぎりぎりの強化は重点的に勉強するという手抜きの試験勉強をしていました。しかし「教育困難校」では、そもそも単元のポイントが何なのかを生徒が理解できないために、事前に定期テストと同じかもしくはそっくりな「対策プリント」を配布して、答えだけを覚えていれば単位を取れる状況にしているようです。そして、なんとか生徒に単位を取らしているとのことです。正直、そこまでしなければ成績を維持できないのであれば、普通科高校に行く必要はないと感じてしまいます。しかし筆者は、そのような「教育困難校」がなくなれば、高卒の資格を取れない子どもが大量に生み出され、「社会に出る際の最低限のパスポートともいうべき存在」を持たない人が街にあふれだしてしまいます。また、生育過程でネグレクト(育児放棄)にあっており、最低限の社会的マナーを身につける機会のない子どもが、放置されたまま社会に放り出されます。さらには、そのような社会的なマナーが十分に身についていない子どもが昼間の街にあふれだせば、治安も悪化するでしょう。そのようなことを防ぐためにも、「教育困難校」には存在意義があると言います。


 学習障害や貧困家庭に生まれたために、将来への希望が持てず、学習意欲・様々なモチベーションを持つことのできない子どもでも、大人になり社会に出なければなりません。そして、そのような子どもでも仕事をして生活を維持していかなければなりません。筆者は「教育困難校」出身者が、現在の低賃金労働の担い手だと述べています。これが外国人技能実習生の制度などで、外国人労働者が増えると、競争に勝てずに仕事を失う人たちだと述べています。そのため、「教育困難校」にこそ教育予算を振り向けるべきだと提言しています。



 以前に〜中学生の5割が教科書を理解できない〜 『AI vs 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子)を読んでで書きましたが、学校の教科書を中学生の半分が自分で読むことができないという調査結果が出ています。そして、今回の本では、筆者は偏差値44〜38以下の入学偏差値の学校を「教育困難校」と定義しています。偏差値44と言えば、学校の平均を少し下回る程度ですが、そのレベルでも授業を聞いても先生が何を言っているのか理解できないということになります。意味の分からない授業を50分間も聞かせ続けられて、それを1日に6コマも受け続けなければならないとすると、とてつもない苦痛ですね^^;幸いに、私は内容がつまらないとは思っても、何を言っているかがわからないという事態の遭遇したことはほとんどないので、そのような子どもたちの日々を想像することはできません。

 ただ社会問題として、Fラン大学を揶揄する内容の読み物などを見ることが多くあります。私も、上述しましたが、そこまでして大学卒になっても意味がないのではないかと思っていた一人です。しかし、生まれた家庭によって、そもそも将来に希望が持てなかったり、学習意欲が低かったりするような子どもが、今の日本には多く存在します。そして、収入の低い家庭で生まれ育った子どもの成績・学習意欲が低いということが、統計的に有意だということが明らかになっています。

 現在の日本は、少子高齢化により企業は人手不足で困っています。これは、大企業がため込んでいる450兆円の内部留保があります。社会的に正しさを追い求めようとすれば、大企業は内部留保の半分でも人件費や国内での設備投資を増やすことに使えば、一気に景気が良くなります。そうすれば、貧困家庭が減り、意欲の少ない子どもの数が減ることになります。

 現在15%と言われている就学援助を受けいている貧困家庭の子どもが、少しでも減る社会になってほしいです。


 筆者は朝比奈なを氏です。

 筑波大学大学院教育研究科修了。公立高校の地歴・公民科教諭として約20年間勤務し、教科指導、進路指導、高大接続をテーマとする。早期退職後、大学非常勤講師、公立教育センターでの教育相談、高校生・保護者対象の講演等の教育活動に従事。主著に『置き去りにされた高校生たち 加速する高校改革の中での「教育困難校」 [ 朝比奈なを ]』ほか。


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〜兵站・後方支援の重要性は現在の課題〜 『断金〜チンギス紀(六)』(北方謙三)を読んで

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 へっぶしんです。働き方改革で人員が合理化されたために、業務量が膨大になり、ミスが続出して職場で怒鳴られまくっています。職場で怒りを爆発させる人たちってどうなのと思いますが、現場から人員を削減して「効率化」する「改革」の犠牲になっている気分です。最繁忙期に、メンタルが持つかどうか、不安で仕方ありません^^;

 今回は、まだまだ連載が継続中の北方謙三氏のチンギス紀です。


 帯の裏側より、

-------------------------------------------------------

テムジンは金国の連合を決意、


メグジン・セウルト率いるタタル族の大軍に突撃する!


金国が、タタル族と戦うために草原の長たちに出兵を要請した。タタル族に父を暗殺されたテムジンはそれに応じ、三千騎の出兵を決意する。また、ケレイト王国のトオリル・カンも金国の側に立つことを決断し、一万五千騎の陣容を整えた。一方、テムジンの盟友ジャムカは、金国とタタル族の双方を草原の民の敵とみなしていたため、この戦を静観する。金国とタタル族はウルジャ河付近で対峙し、テムジンはタタル族の大軍に向けて、早さを生かした三千騎で突撃を開始する――。
-------------------------------------------------------

  モンゴル族の傍流の長であるテムジンは、まだモンゴル族すら統一していない段階で、戦闘のための馬を確保し、鉄山を探して自前で武器の準備をするという、それまでの草原の民とは違った準備を行います。さらに交易ルートを開拓して、経済政策を同時に行っていきます。草原の民の常識にとらわれないテムジンの政策によって、支配下の人数以上の実力を蓄えていきます。

 たくさんの遊牧民の他部族に囲われて、弱小だったモンゴル族のキャト氏の長のテムジンが、同じモンゴル族のタイチウト氏をしのぐ実力をつけつつあります。

 そのような中で盟友だったジャムカと、期せずして一線を交えなければならなくなってしまいます。一族の長としての立場と信念が、テムジンとジャムカを引き裂いていきます。逆に、信用できないケレイト王国と同盟する形になるテムジンという政治外交の無情さが今後どう展開していくのかとても楽しみです。

 あまり細かく書いてしまうとネタバレになってしまいそうなので、あいまいに抽象的に書いていますが、テムジンの「改革」は着実にキャト氏の力を蓄えて、他部族とは違う、時代の先端をはしるようなものです。後の歴史では、モンゴル帝国の特色となる駅伝制(ジャムチ)は登場していませんが、その端緒となるような行動が散見されてきます。また、時代を制する者の条件として、情報の活用がうまいことが挙げられます。ここでも、テムジンは天性なのか「史記本紀」から学んだからなのか、情報収集と分析・活用をする部署を大々的に立ち上げています。

 今後のキャト氏の勢力拡張がどのような物語として編まれていくのか、次巻を待ちきれません^^;


 現在は、ネオリベラリズム(新自由主義)が世界を覆い、先進国の中間層が没落し、逆に発展途上国に中間層ができつつありながらも、先進国の富裕層だけが独り勝ちになる世界です。冒頭で書いたように、一般企業の「改革」は、そこで働く人たちからの搾取を強め、経営者や株主の独り勝ちなるようなものばかりでしょう。ほんの一握りの勝ち組の人たちが、「改革」の成果に恩恵を受け、大多数の人間が、「改革」により自らの労働や資産を搾取される現在の世の中の流れを、自分に内面化することができません。そして社会に適応できていない自分を上から眺めています。どうすればよいのわからずに手をこまねいています。

 没落する中間層に位置する自分の未来がどうなっていくのか、どうにか北欧のような社会民主主義の高負担高福祉の社会構造になってくれて、ライフワークバランスが取れる社会になってほしいと心から願っています。


 作者は北方謙三氏です。

 
 1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。

 81年『弔鐘はるかなり (集英社文庫)』でデビュー。

 83年『眠りなき夜 (集英社文庫)』で第4回吉川英二文学新人賞、85年『渇きの街 (集英社文庫)』で第38回日本推理作家協会賞長編部門、91年『破軍の星 (集英社文庫)』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。

 2004年『楊家将(下) (PHP文庫)』で第38回吉川英治文学賞、05年『水滸伝完結BOX (集英社文庫)』で第9回司馬遼太郎賞、07年『【中古】独り群せず /文藝春秋(文庫)』で第1回舟橋聖一文学賞、10年に第13回日本ミステリー文学大賞、11年『楊令伝「全15巻+読本」 (集英社文庫)』で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞。

 13年に紫綬褒章を受章。

 16年、第64回菊池寛賞を受賞。『【中古】三国志[文庫版]【文庫版 三国志全13巻+三国志読本 計14巻  全巻セット』、『史記 武帝紀 時代小説文庫 7巻セット[本/雑誌] / 北方謙三/〔著〕』ほか、著書多数。


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〜新下流層の出現〜 『言ってはいけない〜残酷すぎる真実』(橘玲)を読んで

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 へっぶしんです。 橘玲氏の著書を連続で読んでいます。著者の主張にはあまり共感できませんが、事実の認識においてはかなり近いものがあるように思えます。

 各種の統計結果や政治の方針を見る限り、これからは一部の富裕層が莫大な資産を築く一方で、ほとんどの人間が貯蓄すらできない下流層に転落する格差社会になってしまいそうです。

 著者は、その格差社会を受け入れて次の社会を考えるという立場を持たれていますが、私は格差を縮小させる方法はないものかと考え続けたいです。

 「あがきつづけて」でも、みずからの自由を求め続けたいです。


 本体カバー内側より、

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この社会はきれいごとがあふれている。人間は平等で、努力は報われ、見た目は大した問題ではない――だが、それらは絵空事だ。往々にして、努力は遺伝に勝てない。知能や学歴、年収、犯罪癖も例外ではなく、美人とブスの「美貌格差」は訳3600万円だ。子育てや教育はほぼ徒労に終わる。進化論、遺伝学、脳科学の最新知見から、人気作家が明かす「残酷すぎる真実」。読者諸氏、口に出せない、この不愉快な現実を直視せよ。
-------------------------------------------------------

 私は、自分が住む世の中は、努力が報われる社会であってほしいと思っています。ですから、たとえ貧困家庭に生まれたとしても、努力次第で社会階層を登っていける社会が理想的です。しかし現在の日本では、親の収入と学歴に相関関係があり、裕福な家に生まれれば、多少ひとより才能がなく、努力を怠ったとしても、裕福な一生をおくれる社会です。現在の総理大臣や財務大臣を見ればわかるでしょう。

 アメリカでは、上位の1%の富裕層が社会の富の42%を独占する社会になっています。日本はそこまでは格差が開いていないようですが、前回の記事で日本の世帯収入の没落ぶりを書きましたが、確実にじわじわと中間層が没落しています。

 1995年には日本の世帯年収の中央値が545万円だったのが、2015年には427万円と20年間で128万円も下がっています。1世帯で働いている人数、高齢化率などを無視しているので、単純に給料が下がったという言い方はできませんが、中間層が地盤沈下していることは間違いないでしょう。この傾向は、今の政権が続く限りは変わらないでしょう。10月に消費税が上がったとたんに、社会保障費の削減を言い出す政権ですから、国民が貧困にあえごうがどうしようが、自民党・公明党の閣僚・議員には興味がないのでしょう。

 さて、著者は具体例をアメリカに求めていますが、人種間で知能が異なるということが遺伝の研究で明らかになっているようです。そして、知能によって収入が異なるという知識社会になっているというのが筆者の社会の見解です。この見解には、同意せざるを得ません。日本のみならず、欧米だけではなく、発展途上国においても、学歴による収入差が確認できるようです。アメリカでは、黒人奴隷の反省からアファーマティブアクションという黒人優遇政策がとられていますが、現在の研究ではこの政策はあまり機能していないということです。

 また、最近はトランプ大統領(共和党)支持者がどういった境遇の人間なのかという説明で、プアホワイト(低学歴・低収入の白人)を挙げています。「白人だという以外に自らのアイデンティティのよりどころがない人たち」が、トランプ大統領を支持しており、この層は、元中流の工場労働者たちだとしています。そして、日本のネトウヨの説明でも、「日本人という以外に心のよりどころを持てない人」だしています。日米の政権支持層は、現政権から恩恵を受けている富裕層・エリート層と、現政権から見放されて、切り捨てられている新下流層という対照的な2つの層だというのです。

 ネトウヨについては、ネットで色々と見たり、実際にSNSで絡まれたりして、どんな生き方をすると政権に隷従することに喜びを覚えて、自分が不利になる政策をする政党支持するのか不思議で仕方がないのですが、著者と同じような説明が多いです。 また、不都合で残酷な真実として、フェミニストが激怒しそうな事実を挙げています。イスラエルで、子どもに対して性差のない教育を施して、家庭の方針が入り込まないように、共同生活させても、ほとんどの子どもが、成人後に選ぶ職業はステレオタイプとされるような男の職業・女の職業を選ぶようです。

 私自身も経験から、小さい我が子を抱く妻を美しいと感じ、とても幸せそうに見えたことを今でも覚えています。私自身は、男性も女性も自分の望むように自己実現をできる社会が良いと思っています。また、自分が育った家庭では、共働きで、圧倒的に母親の方が収入が多かったので、「男は一家の大黒柱」という言葉を、未だにバカバカしく思っています。ただ、どうしても意識から抜けないのは、母親の収入を自分が稼ぐことができない自己嫌悪感です。妻も働いていますが、世帯年収が、自分が育った家庭には到底及びません。そのため、社会階層において没落しているという焦燥感を覚えるのです。

 自分の思考は自分で組み立てるものだと思っているのですが、「寝ながら学べる構造主義 [ 内田 樹 ]」の記事でも書きましたが、様々な環境によって自分の思考が縛られているということに気づきました。さらには、今回の本では、趣味などですら遺伝に縛られているというのが最新の科学の知見だというから驚きです。

 遺伝子の研究がすすむにつれて、この本のタイトルのように、「残酷すぎる真実」がさらに明らかになっていくでしょう。本当に目をそむけたくなるような研究結果が並んでいますが、逆に遺伝とは関係のない、本人の努力で自分が規定されるようなものもわかっていくでしょう。

 それにしても、子育てですら無駄だという研究結果は、受け入れがたいですよね。何とか自分の力で子どもを周りの子どもよりも有利な状態で社会に題したいと願っているにもかかわらず、もはやあなたは自分の子どもへの影響力を持っていないと宣告されるのですから。

 脳科学には興味があったのですが、遺伝子研究はあまりフォローしていませんでした。ただ、遺伝子研究の動向についても、時間が許す限り、私の知能で理解できるレベルでフォローしていきたいです。


 今回の本で、読みながら繰り返し頭をよぎったフレーズが、「努力とは何だ?」ということです。現在の自分は、今までの自分の怠惰の罰によって苦しい生活を強いられているという風に考えていました。就職活動をせずに大学を卒業し、生まれて初めて社会的な地位がない状態になった時に、自分の社会における存在意義がないことに大きな焦燥感を覚えました。そこから就職活動を始めましたが、大卒後の新人に手を差しのべる会社はほとんどありませんでした。なんとか採用になった零細企業で働き始めましたが、そこは偽装請負で間に何社もマージンを取る会社が入り、某大企業の製品開発現場が人生最初の職場でした。当時の大企業は、今よりも景気は良かったので、海外で発売する製品の品質保証テストのために、約半年、海外出張というものもできました。ただ、同じ大学の友人たちは、自分よりももっと待遇として恵まれているのだろうなという劣等感にさいなまれ続けました。

 しかし、ずっと報われてないと思っていた自分の待遇が、実はロスジェネ世代としてはしぶとく生き抜いている状態だったのだと、最近になってようやく気付きました。ただ、気付くというのは、統計結果を見て驚いたということで、日々の生活をする中では、自分の生活レベルを客観視することはできないのだと反省しました。
 それが、今回の本では、自分の想像以上に今の自分が遺伝子によって規定されているのだということに驚きました。ただ、自分がどれだけ遺伝子によって規定されている部分が多いと言っても、自分の意識で変えられるところはどこなのかを、研究結果をフォローしながら調べ続けていきたいです。

 「あなたはヒトという種の存続の過程の単なる一部品なのですよ。」と言われて、個々と良く感じたり、安心したりする人は少ないでしょう。いい年をして、未だに自分とは何なのかを探し続けていますが、自分で変えられる自分とは何なのかを知りたくなりました。


 著者は、橘玲氏です。 1959年生まれ。作家。国際金融小説『マネーロンダリング (幻冬舎文庫)』『タックスヘイヴン (幻冬舎文庫)』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方新版 知的人生設計のすすめ (幻冬舎文庫)』『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』など金融・人生設計に関する著作も多数。

 『言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)』で2017新書大賞受賞。近著に『もっと言ってはいけない (新潮新書)』『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』『人生は攻略できる』など。

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〜所得格差拡大を憂う〜 『上級国民/下級国民』(橘玲)を読んで

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 へっぶしんです。 仕事が繁忙期に突入し、暇なときに更新をさぼったツケがたまり続けています^^;

 せっかく読んだ本も、ブログになることがなく本棚に直行しているという残念な事態が続いています^^;

 ここからは、仕事が忙しくなりすぎるので、さらに更新頻度が落ちそうです^^;


 本体カバーうち側より、

-------------------------------------------------------
いったん「下級国民」に落ちてしまえば、
「下級国民」として老い、死んでいくしかない。
幸福な人生を手に入れられるのは「上級国民」だけだ――。
これが現代日本社会を生きる多くの人たちの本音だというのです。(まえがきより)
「下級国民」を待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという
”残酷な運命”。一方でそれらを独占する少数の「上級国民」たち。
ベストセラー「言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)」の著者があぶり出す、
世界レベルで急速に進行する分断の正体。
-------------------------------------------------------

 現在の日本社会では、格差が拡大しているにもかかわらず、人々の目には実態として格差が見えなくなっています。それは、中産階級から没落した人は、友人の集まりに恥ずかしくて顔を出せなかったり、リア充ではないのでSNSなどにも投稿しなかったりと、一般的な人がやっていることをしなくなるからです。また、本の中ではアメリカの実態に触れて、住む地域が違うという指摘もしています。

 ちなみ格差の拡大とは、高額所得者の増加と貧困層の増加による格差の拡大のほかに、中産階級の没落が挙げられます。ちょっとだけデータを見てみましょう。厚生労働省の国民生活基礎調査の5年ごとの世帯収入の平均値と中央値です。

1995年

1995
2000年
2000


2005年
2005


2010年
2010

2015年
2015

1995年から2015年までの五年ごとの世帯年収の変化は、

平均年収で、
664.7万円⇒626万円⇒580.4万円⇒541.9万円

中央値では、
545万円⇒506万円⇒462万円⇒427万円

と、日本の家庭の年収は順調に下がっていることが確認できます。これが中産階級の没落です。原因はひとつではありませんが、本の中で言われているのは、国内の製造業の没落と、サービス業への就労割合の増加です。製造業の没落については、産業の空洞化と呼ばれているもので、製造業大手の会社が向上を海外移転させたために、国内の生産が減ります。そうすると就業者が減り、就業機会がなくなった人たちが、生産性の低いサービス業へと流出します。生産性が低い業種は当然に給料も低いので、上記のように年収が右肩下がりになります。

 もうひとつ大きな原因として考えらるのは、少子高齢化の進行による年金生活者の増加です。

 ちなみに、1995年から2015年までの再貧困層とみられる世帯年収200万円以下の層の変化は、


13%⇒18%⇒18.7%⇒20%


と、順調に増えています。

 この変化は、日本だけでなく欧米の先進国でも同様に起きているようです。筆者が原因として挙げているのが、上記で説明した産業の空洞化に加え、知識社会になったために知能の高い人が富をひとりじめしていると指摘しています。しかし、世界全体でみると中間層が増えているということも指摘しています。


 いやな言い方をすれば、日本の中間層が多少没落して貧困層に落ちても、日本の約10倍の人口を擁する中国で中間層が増えていれば、世界的にはうまくいっているというということです。


 ここで、貧困層に陥る人はどのような人たちなのかというと、筆者の言葉を言い換えると


々場労働者のような定型的な生産に従事する人。(ルーティン・プロダクション(定型的生産)サービス)
⊂売店従業員、ホテルレストランなどの従業員などの1対1の対人サービスに従事する人。(インパースン(対人)サービス)
L簑蟆魴茲簗簑衄見、データ、言語、音声、映像表現などのシンボルを操作するようなクリエイティブな仕事
をする人。(シンボリック・アナリティック・サービス)


´△暴昌する人たちの収入はグローバル化にさらされて下がり続け、に従事する人たちの収入は上がっているようです。日本では、ポスドクなどと呼ばれる高学歴のワーキングプアで苦しんでいる人たちもいますが、それはデータから外れた一部の人たちだということでしょうか。疑問も持つと先に進まないので、指摘だけしておきます。


 要するに、知識化社会においては、クリエイティブな仕事に従事できないと没落する危険性がとても高いということです。さらには、別の本で繰り返し指摘されていますが、日本ではどう頑張っても学歴社会であり、大学・大学院卒の高学歴な人たちはどちらかというとクリエイティブな仕事に就き、ルーチンワークや一冊のマニュアルで仕事ができてしまうような定型的な仕事の給料は下がり続けているようです。


 自分のこれからのことや、こどものことを考えると、どんどん恐ろしい社会に向かっているように思えて、だれかこの格差社会化の流れを止めるメカニズムを転換させるような仕組みを考えてくれないのかと、祈るような気持ちになってしまいます。


 別の記事で、何度か個人的な望みを書いていますが、サラリーマンとしての仕事に疲れ、アーリーリタイアをしたいと夢想しています。しかし、むすめの私立の学費が高く、学費実質無料化の恩恵にあずかることができずに、行政から見捨てられて、税金や社会保険料を搾り取るだけ搾り取られるぼろ雑巾のような階層にいる気がして仕方がありません。たいしてもらっているわけではない給与明細を見ると、げんなりとしてしまいます。手取り20万円って何だと、悲しくなる月もあります。

 自分が、グローバルな社会の中で戦う自信も全くありません。ただただ平穏に暮らしたいだけなのですが、周囲の状況が平穏な生活を送ることを許していないように感じます。

 上記の厚生労働省の国民生活基礎調査には、子育て世代の収入額も結果にありますが、自分が育った家庭の収入と現在の自分の収入を比較して、暗い気持ちになってしまいます。
 なんとか、未来が明るくなって、ほどほどに働いて、そこそこの余暇を過ごせるような社会になってくれるように祈るばかりです。


 著者は、橘玲氏です。 1959年生まれ。作家。国際金融小説『マネーロンダリング (幻冬舎文庫)』『タックスヘイヴン (幻冬舎文庫)』などのほか、『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方新版 知的人生設計のすすめ (幻冬舎文庫)』『幸福の「資本」論 あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』など金融・人生設計に関する著作も多数。

 『言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)』で2017新書大賞受賞。近著に『もっと言ってはいけない (新潮新書)』『働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる』『人生は攻略できる』など。

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